大切にしたい心
第6話 ミルコと乃木坂と以心伝心と
乃木坂は。
彼女は何を考えているのか分からない。
だけど彼女を病魔が蝕んでいる。
その事だけははっきりした。
俺はその事をイラつきながら.....彼女のクラスの2階まで行く。
何を考えているつもりなのか。
思いながら覗くと。
彼女は居ない。
俺は?を浮かべて周りを見渡す。
物珍しそうに1年坊が俺を見る中で.....俺は。
此処から見える体育館裏に女子が居るのに気が付いた。
まさかな、と思いながら俺は駆け出す。
それから.....体育館裏に辿り着くと.....そこで言い争いがあっていた。
その声の中に.....乃木坂の声がする。
よく確認すると.....女子に絡まれている様だった。
「アンタ調子に乗ってないでしょうね。.....なんかその顔が気に食わないし、あざといのもイラつくんだけど。.....そもそも雄大くんを取らないでよ」
「.....私は雄大くんと何も関係が無いですよ。取ってないです。本当です。.....そもそも私は.....」
「あっそ。でもそれはそれでアンタのそのあざといのもう止めて。どういう事か知らないけど腹立つから」
「.....」
アイツも.....アイツなりで苦労しているんだな。
そう思える様な.....会話だった。
俺はそれを聞きながら空を見上げる。
だが状況が一変した。
その間に、だ。
「何か話してよ!!!!!」
と言いながら乃木坂を平手打ちしたのだ。
俺はビックリしながら声を掛けようとしたのだが。
アンタがあざといから何でもかんでも、と言い出す女子にとんでもない事を乃木坂は言い出した。
俺はその言葉には大きく見開くしかない。
「私はもうあざといの止めるんです。そもそも私は.....もう決めましたから。.....好きな人を。だから貴方の言っているあざといのはその人だけにしますから」
好きな人。
その言葉に心臓がドクンと波打った。
乃木坂に好きな人?、と思いながら、である。
女子達はビックリしながら見る。
乃木坂はかなり真剣な顔をしていたから、だ。
そして乃木坂は宣言する。
「私.....先輩が好きだから。先輩.....2年生の鳩羽ミルコ先輩が心から好きですから。.....イラつく事をもうしないって決めましたから」
「.....!?」
俺は驚愕する。
それから.....赤くなっていく。
心臓がバクバク鳴る
カァッとなっていく。
熱で、だ。
何だ.....って?!
俺が好きってどういう事だよ!?
「だから失礼します」
そう言いながらこっちに来る様で。
俺は慌てて逃げ出した。
そして.....そのまま階段を登って行く。
別階段で、だ。
1年とは程遠い場所にある階段で登る。
しかし途中で息が切れた。
あまりの事に、だ。
何だ.....どうなっている。
俺を好いている?!乃木坂が、か!?
「.....いや。嘘だろ。.....何で.....?どうなっている.....何故、乃木坂が俺を!?」
訳が分からないんだが。
そもそも俺は3回も振られているんだぞ。
俺は呟きながら心臓が高鳴るのを抑えながら居ると。
階段上から声がした。
何してんの?、と瑛太の声が、だ。
瑛太は目を丸くしている。
プリントを持って、だ。
「.....何でもねぇよ。.....すまん。ちょっと走ったせいで」
「.....は?走った?何で?」
「.....訳は聞かないでくれ」
「.....いや。お前がそう言うなら仕方がねぇけどよ」
帰ろうぜ。ミルコ。
と瑛太は俺を見てくる。
それから手を差し伸ばしてきた。
その手をゆっくり掴む。
何だこの高揚感は.....。
余りにも嬉しすぎて.....ヤバイんだが。
心も体も熱い。
まさかだろ。
何故.....乃木坂は俺を好いているのだ。
「階段で止まっていたから誰かと思えばお前かよ。全くよ。.....変な侵入者の不審者かと思ったぜ」
「馬鹿かお前は。.....そんな訳無いだろ」
「.....まあそれは良いけど。それにしても顔が嬉しそうだな。なんかあったか?」
「.....何でも無い」
そして。
俺はその日。
乃木坂と俺は以心伝心という事に気が付いた。
余りにも恥ずかしいのだが。
乃木坂に俺は好かれているのかよ、って思う。
っていうか.....じゃあ何故.....76の秘密を.....。
考えるが.....分からなかった。
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