妹神が来た理由 プロローグ

 それは遠い遠い昔の記憶――。


「ヒイラギの木?」


「そう……あなたと同じ名前。この木はひいらぎっていうの。あなたはこの木から力を得て神に生まれ変わったのよ」


「ヒイラギが神様に?」


「そうよ。この木はあなたが神であることの証明であり、あなたの命そのもの。簡単に枯らしてはだめよ」


「はい!」


「私はここに長居しすぎた。もう私はお役目ごめんって感じだし……後は頼んだわよ」


「姉様……行っちゃヤダ!」


「もう……そんなこと言わない。あなたがこの地の人々と、それから柊の木と元気に暮らしていれば……いつかまたきっと会いに来てあげるから」


 神様は妹の頭を優しく撫でるのでした。

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