あのホームレスに七億を…… エピローグ

「ヒイラギ、只今帰りました」


「おかえりなさーい。で?」


 上機嫌に神様が尋ねます。


「へ?」


 キョトンとするヒイラギ。


「へ? じゃないわよ。あるんでしょ? わたしへのお土産。まあ、とらえようによってはわたしが七億を当てたようなものだし……何かあるのは当然よね?」


「えーっと……、それは、そのう……」


「え? なによー、まさか本当にわたしには何もない訳?」


「ごめんなさーい!!」


 逃げるヒイラギ。


「こらー! 待ちなさーい!!」


 やれやれ……この神様の姉妹、相変わらずですね。


 おや、誰かが来たようです。格好や持ち物からして測量士でしょうか。


 何も知らないヒイラギに代わって説明しておくと、七億円を手にしたおじさんはまず最初に神社再建に向けての手筈を取っていました。


 その計画が今ようやく始動したのです。


 なんだかんだ抜け目の無いおじさんでしたね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る