天真爛漫な妹神 4

 攻防の末、神様は肩で息をし始めます。


「はあはあ、あなた……それ、どっかに掲示してないでしょうね?」


「しましたよ」


 一方で平然としているヒイラギはさらっと答えます。


「もー! 変な輩が来る前に早く剥がして来てよ!」


「でも……」


「でも何!?」


「もう……来ちゃいまいた」


 気付けばポスターを見た神職候補たちが、鳥居の外までずらーっと大行列を作っています。


 それは神様の想像を遥かに超える大群。


「え! うそ!? 私って今そんなに追い風なの?」


「ついに来ちゃいましたねー。姉様の時代が……。ささ、ではさっそく品定めと行きましょうか」


 悪い顔をするヒイラギ。神様は開いた口が塞がらないのでした。

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