神様が見える女の子 1

 長いこと神様をやっていると、時としてに出くわすことがあります。


「ねえ、あなた一人なの?」


「…………」


「そっかぁ、あなた一人ぼっちなのね」


 幼い女の子が神様の元へ近寄ってきます。


 どうやら彼女には神様の姿が見えているようです。


 女の子が話しかけていますよ。返事くらいしてあげたどうですか?


 ほら、話はまだ続いているようですよ。


「じゃあ、あなた一人ぼっちでかわいそうだから……わたしが一緒に遊んであげるね」


 やがて神様は女の子と目を合わせて言い放ちます。


「可哀そう!? この私が!? ありえない! いい? 私は神なの! 神様はガキと遊んでる暇なんてないのよ。分かったら失せなさい。しっしっ!!」


 しかし女の子に気後れする様子はありません。


「そっかそっかぁ。じゃあ、おままごとをしましょう。あなたは子供の役ね? わたしはお母さんの役」


 ふふ、今度の相手は少々手ごわいようです。


「あんた今、鼻で笑ったわね? 覚えときなさいよ!」

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