第9話 結論

 エルシィは空気を読んで。


「では、疑問点も解決したでしょうから同盟と行きたいところですが悪魔と人間の遭遇すると殺し合いになる、人間の密漁をどうにかしなければなりませんね」


「いいわ、わたしたち魔族は人間がわたしたちに手を出さない限り殺しはしないわ」


「いいだろう、同盟を組むということは味方同士、悪魔に対して攻撃することを禁じ、密漁をするものは処罰する。密漁に関しては発見し大報告してくれ。問題は人間が悪魔を受け入れるか、だが俺が何とかしよう」


「我が密漁しとるものがいれば報告すればいいのだな?」


「ああ、そうだ、獣人に対する差別意識もなくしていく」


「では、私たちの森に入るときはエルフ族の者がついていくというのはどうだ?それなら安心して森に招待することができるぞ」


「それはわたしたち魔族もよね」


「もちろんだ、用事があるときはいつでも森に招待しよう」


「わたしはそうね、もう変な召喚獣作らないことにするわ」


「まさか召喚獣が魔王並みに強いとはな…だがそうなるとお父様を殺した張本人はお前ということになるがな」


「まあそうね、恨まれるのも楽しいのかもしれないわ」


「殺意を向けているのだがな、変わったやつだ」


 会談を終え結論は出た。人間、悪魔、エルフ、人魚、獣人の同盟が締結された。永久とはいかない者の彼らがいる限りこの同盟が途切れることはないだろう。人間やエルフからは不満の声も上がったがライクルスやミナスタによって鎮められ、密漁も完全になくなったわけではないが半減以上。

 海賊団は基本的に金品を奪う団だが変わった海賊団も現れエルフや悪魔と貿易を盛んにする友好的な海賊団も現れ和平が訪れた。

 人間、エルフ、獣人、人魚に平穏が訪れた。



 魔王ミレイナの思い描いた平穏を手に入れた悪魔族。ミレイナしか知らない真相がここにある。

 すべてが本当とは限らない。


「蝙蝠じゃなくて狼がいいって言ってるでしょ」


 いつものようにオッドに話しかけるミレイナ。変身しながら話もできるらしい。


「ボクは小さいほうがいいけどな、どうする?ボクは君の眷属の訳だけど君の見たい光景は作れたんだろう?」


「そうね、飽きてきたわ。そろそろ世代交代でもしてみようかしら」


「ボクはリインヴァルスが魔王を名乗り出て反乱を起こすと思うよ」


「あなたはここに残ってもいいのだけど?ミストルル」


 オッドと思われたその狼はミストルルだった。


「ボクは血を吸われたミレイナの眷属だからね、まあだいたい吸血鬼の王が魔王軍に捕まったのならその吸血鬼の王は誰って話だしね」


「わたしなのだけど吸血鬼の領地つまんなかったのよねー、だから捕まったってことにして悪魔生存を選んだわけだけど」


「君にかかれば悪魔も吸血鬼も好きに動かせるからね、だって君は始まりの吸血鬼であり始まりの悪魔なんだし」


「人間でもいいけど次は天使にでもなってみたいわね」


 ミレイナの過去が語られる。

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