第8話 改善会談(悪魔視点)
エルシィの司会は続く。
「隠し事は不信感を抱きますからね、その質問に答えれば同盟を受け入れる、と」
「エルフとしては賛成だ」
「今回だけは人魚としても賛成しておくか、気になるしな」
「人間としても賛成だ、平和が保たれる保証があるのならばな」
「獣人としても賛成です…わたしは裏切りませんけど…」
実はリインヴァルスとエルシィはシィルム以上の情報を持ってはいるが完全には把握していない。
「ならばこの俺が知りうる情報を話そうか。そもそも勘違いしているようだがデモリストア様はミレイナ様が作り上げた召喚獣に過ぎない」
「なに?」
「ミレイナ様は作ることに特化しすぎた。そして魔王並みの戦闘能力を持つデモリストアという名の召喚獣を創り上げてしまった。ミレイナ様はデモリストア様とは逆の性格の悪魔を作っておき深き眠りについたがなかなか少し手を加えたデモストリアが戦死しないためミレイナ様は目を覚まさない。想定以上に暴虐で強力な悪魔となってしまい魔王となった」
「俺が決死で囮作戦に乗ったあの悪魔、デモストリアもミレイナの召喚獣に過ぎないというのか」
「わたしもあんな強くつもりなかったわ、少し眠れればいい程度だったのに気づいたら数百年たっていたわね」
これだけでもミレイナは相当強い人物だとうかがえる。
「ならミレイナがお父様と言っていた人物は誰だ?」
「名前は分からないわ、でも何か大切なことを忘れている気がするのよね」
「そもそもお前はデモストリアと吸血鬼の王の娘ではないのか?」
「そこは俺が話しましょう、ミレイナ様。正式に同盟関係を結んでない以上本当のことは話さないつもりだった、しかし今なら話せる、それに俺ですらまだ知らないことがあるのだからな」
「どういうことだ?リインヴァルス」
「俺は十位のオッドを見たことがない」
「オッド?オッドなんて見てるじゃない」
「どこにいる?」
するとミレイナの肩に蝙蝠が止まる。
ライクルスは理解した。
オッドは蝙蝠だった。他の悪魔兵士のほうが強いのではないだろうかと言われるほど戦闘能力はなさそうだが悪魔階級十位に属しているためそれなりに強いのだろう。
「わたしは狼がいいのだけど」
ミレイナがそういうとオッドと呼ばれる蝙蝠は人狼に変身した。変身能力を兼ね備えているオッド。狼にまたがるミレイナ。
「結論よ」
結論が出される。
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