第7話 改善会談(裏切りの悪魔視点)

 エルシィの次のお題はこの画面の中にあるらしい。

 紫の髪の少女、おそらく悪魔が二人の悪魔に何か言っていた。


「同盟をしたとして同盟破棄の可能性はあります。世代交代しなくてもです。裏切ったらどうなるでしょうね」



 デモリストアが戦死し悪魔階級第八位の男、イルサピと悪魔階級第九位の女スズィーニアは主、悪魔階級第二位だと思い込んでいるナーリィと共に裏切りを起こした。しかし、なぜか彼らからしてみれば第四位のリインヴァルスでも第五位のエルシィでもなく彼らからしてみれば初めて聞くミレイナという人物が新しく魔王となっていた。

 ナーリィはデモリストア戦死後自らが魔王をあげるがついてくるものはイルサピとスズィーニアのみ、そしてリインヴァルスがナーリィに敵対心を見せたためリインヴァルスをナーリィ、イルサピ、スズィーニアは三対一で叩きのめすつもりだったが相手にもならずリインヴァルスは初めから狙いを決めていたかのようにナーリィのみを殺害した。イルサピとスズィーニアを生かしエルシィと共に魔王城から迫害した。



 悪魔階級六位の紫髪の女でデモリストアの側近でもあったシィルムの前にいるのはイルサピとスズィーニア。

 

 主のナーリィを失ったスズィーニアの前に現れたのは第三位のシィルム。スズィーニアには希望が見えた。


「シィルム様、ナーリィ様がリインヴァルスによって殺害されました。リインヴァルスとエルシィの裏切りです」


「ふぅん、なるほどー。裏切り者はこうしないとねー」


 そういうと隣のイルサピを鎌で殺害した。


「え…」


 スズィーニアには訳が分からなかった。


「よく裏切れたね、あたしが実験対象にされなくてよかったー」


「な、何を…」


「実はあたしナーリィより実力上らしいよ」


「それはどういう…」


「なら聞かせてよ、君の知ってる悪魔階級を」


「わ、分かりました…一位はデモリストア様、二位はナーリィ様、三位はシィルム様、四位はリインヴァルス、五位はエルシィ、六位はミストルル、七位はオッド様、八位はイルサピ様、九位は私、スズィーニアですよね?」


「十位は?」


「え…」


「だから、十位は?」


「九位までしかいませんよね?まさか今魔王を名乗ってるミレイナですか?」


「八位と九位しかあってないかなぁ」


「そんなはずはありません」


「確かにあたしも驚いたよ、特に一位と四位はね。十位は見たことがないんだよね」


「私が順位を間違えたというのですか?」


「元から一位はデモリストア様、二位はリインヴァルス様、三位はエルシィ様、四位はミレイナ様、五位はミストルル様、六位はあたし、シィルム、七位はナーリィ、八位は横で死んでるイルサピ、九位は君、スズィーニア、十位はオッドだよ」


 スズィーニアとシィルムは階級がバラバラでほとんどあっていない。


「その話が本当なら私たちは無謀なことを…ミレイナとは何者なのですか。なぜ二位が魔王を引き継がないのですか」


「なんかねぇ、エルシィ様までは知ってそうなんだけどねぇ、三位までしか教えてくれないのかなぁ、ミストルル様はちょっと変人なところあるからあまり近づきたくないし。ま、裏切り者は、殺すわ」


 スズィーニアは最後に思った。初めから気づくべきだった。スズィーニア達三人がかりでかかってもリインヴァルスに全く歯が立たない時点で順位を疑うべきだと。順位という飾りに惑わされた結果、裏切る行動になってしまっていた。

 シィルムはスズィーニアを鎌で両断した。



 その無残な光景を画面越しから見せられるライクルス達。

 初めて聞かされた八位以下の悪魔の名前。


「元は人間でも同盟破棄なんて裏切られた真似をされたらあんな風になるということですよ」


「わざわざ見せなくても…」


「実践で見せてわからせる、デモリストア様の教えにのっとったのですよ」


「エルシィ、その名前嫌いになったわ」


 残酷なものを見せられてミレイナはデモリストアを嫌っていたのかもしれない。


「ミレイナ様は変わったお方ですね、同盟に重要なのはやはり信用性だとわたくしは思うのですよね」


「何か信用させる方法でもあるのか?」


「見せたじゃないですか、裏切り者は確実に殺す、たとえ同族であっても」


「あれは騙したって言い方も正しいですよね…」


「仕方ないのよ、わたしは悪魔なんだから制限で同族を三人以上自分の意志で殺す制限がかかったのよ」


「どういうことだ?しかし殺したのはシィルムという悪魔だろう?それに二人しか殺していない」


「もう、三人殺したわ、シィルムを使ってイルサピとスズィーニアを、リインヴァルスを使ってナーリィを」


「なぜ自分でしない?」


「わたしは自分で手を汚したくないの」


「ミレイナ様は変わり者なんですよ」


「何か裏がありそうだのう、ようやく興味が出てきたな、我の海にまつわる伝説なんて何の役にも立たんがな」


「俺が引っ掛かるのは十位の悪魔は恐らく戦死したのだろう、ミレイナ、お前はデモリストアのことが嫌いなのか?悪魔には制限があるのか?」

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