第5話 改善会談(エルフ視点)

 エルシィは区分を元に次のお題を発表する。


「ようやく本題といったところでしょうか、区分しないとなると勝手に領地に入られるのは困りますね。そこで人間とエルフはもうしているようですが魔族、人間、エルフ、人魚、獣人の永久同盟です」


 人間とは同盟しているもののエルフにとって悪魔は最大の脅威。そんな彼らと同盟をすれば脅威は消え去る。


「もちろん敵対関係になるよりも同盟関係になるほうがよっぽどいい、森の資源は渡すし協力もする、賛成だ」


「同盟か、確かに同盟できれば平和が保たれるな、今はエルフとの同盟中だがもちろん賛成だ」


「我は元から中立だからな、同盟したところで特に変わりはないのだがな。そもそもお主らで勝手に始めた戦争に我らは巻き込まれただけであろう?我からは賛成も反対もせぬ、だが同盟したからと言って協力はせぬぞ」


 非協力的な人魚の代表だ。


「わたしたち獣人族は敵対する理由がないです。あと何人の獣人が生きているのか、もう絶滅しているかもしれないのに…同盟をしないと生きていけないです、なので賛成です」


「まるで吸血鬼ね」


 ミレイナがふとそんなことを呟いた。


「どういうことですか…」


「吸血鬼軍は全滅したけどある意味最後のわたしが生き残ってるから全滅してないわ、もしこの話し合いが吸血鬼が滅びる前に行われていれば吸血鬼も表上滅びずに済んだかもしれない。魔族が人間だとしたら吸血鬼は獣人ってことよ」


「お嬢様はどうお考えになられますか?」


「まあ賛成はするけどあれ、何て言うんだっけ、ねえ、リインヴァルス」


「うむ?あれと申しましても」


「ナーリィが裏切ったのもあれでしょ、結局お父様がいなくなったからでしょ」


「そうですね、世代交代とでも言いますか」


 確かに今のエルフの族長はエリスメリアだがエリスメリアが何かのきっかけで命を落としたとき族長は変わる。よって同盟破棄も当然あり得る。結局は身分なのだ。身分があってこその決定権。


「そうだな永久同盟は無理だな、だが、私たちが生きている間だけでも平和は続く保証はあるな」


「それはどうでしょうかエリスメリアさん」


 ここでエルシィの一言。


「わたくしたちもいろいろと試したんですよね」


「試した?」


「これはもう結果が出ています、同族では。ですが他種族ではどうでしょう」

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