第4話 改善会談(人魚視点)
エルシィの次のお題が発表される。
「ではこの5種族、行動範囲領域を決めましょうか」
「エルフの身としては特に問題ないが具体的にどう仕分けるんだ?」
「我の場合は住が海だからな、海、浜辺全てが我ら人魚の行動範囲領域ならよいぞ」
しかし、そこでライクルスは反論する。
「待て、そうしてしまうと俺たちは海に近づくことすらできなくなるということか?それなら反対だ。海関係の物が手に入らなくなってしまう」
「密漁という悪に手を染めておるからだろう」
「それは一部のものだ」
人魚からしてみれば人間のその一部のものでも多大な被害を受けている。
「わたしも…その、人間と同じような物なので…身分は下ですが。人魚族に海全域を渡すのは反対です…」
「わたしも反対だわ、海全般となると空も飛んじゃいけないんでしょ?それは人魚のわがままね」
戦争で好き勝手暴れていた悪魔族からの一言。これまで人魚族は綺麗な海を守るために少しでも多く生き残るために中立という立場を維持し続けていた。
「あくまでミリリアントさんの意見が通れば前提の話ですがね」
「そんなもの誰が決めるのだ?」
「わたくしたちですよ?そのために他種族で集まったのですから」
「なるほどな、エルフは主に森だがそうなると森全てを私達エルフに明け渡すのと同じ話になる訳だな」
「ではわたしの居場所は…砂地でしょうか…」
「ふーん、いいわよ、ならわたしは空をもらうわね」
「ですがわたくし達魔族も何かしら海や森、砂地には出向くと思いますよ。すべて明け渡してしまうのは厳しいと思われますよお嬢様」
「そうねぇ、自由が縛られるのは厳しいわね、わたしたち悪魔は反対よ」
「我ら人魚からしてくれれば海と浜辺さえあれば賛成なのだがな」
「人間としても空も海も明け渡すのは自由がなさすぎる、反対だ」
「わたしも人間と同じようなものなので海がないのは特に…反対です」
「私も主に森に入るものの川や海にまで制限を付けられると困るところがあるから反対だな」
結論は出たようだ。
エルシィは判決を下す。
「では、人魚以外反対ということなのでこの案は通りませんね、また、行動範囲を区分するしたとしても誰かが必ず通ってしまう。わたくしたち魔族や人間、エルフは数が多いですからたまに変わり者が通ってしまうので区分するのはやめましょう。では、次のお題に行きましょうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます