ビアンカとチェレステ
「……僕、ビアンカと付き合えて幸せだなぁ」
ベッドの中で、隣に並ぶビアンカを抱きしめながら、チェレステは呟きます。
「どうしたの? 急に」
「僕、どうしても他人とえっち出来ないからさ……今までの恋人とはそれで本当に好きなのかって疑われて……ビアンカも最終的にそうなるのかなって思ってた」
「ふふ。大丈夫よ。ならないわ」
「好きな人と触れ合えなくて、辛くない?」
「こうやって抱き合ってるだけで幸せよ」
「……まぁ、ビアンカは性欲を発散する先が他にもあるもんね」
「あら、その言い方は酷いわね。まるであの子達をあなたの代わりにしてるみたいじゃない」
「ごめんごめん。そういうわけじゃないのは理解してるよ。愛されてないって感じたことはないから。……好きだよ。ビアンカ」
「わたしも好きよ。チェレステ」
「……うん。僕を愛してくれてありがとう」
「それはこっちの台詞よ。わたしもずっと他人から理解されなかったもの。クズだとか、ビッチだとか、尻軽だとか言われて」
「……ごめん、僕も最初は潔いクズだなって思った」
「……そう言われるのはもう慣れてる」
そう言いつつも、ビアンカは拗ねるようにチェレステに背を向けてしまいます。
「ご、ごめんって。さっきも言ったけど、今はちゃんと分かってるよ」
チェレステが慌てて弁明すると、ビアンカは「冗談よ」とくすくすと笑いながら寝返りをうち、彼女の方を向き直しました。
「もー……」
「ふふ。さ、そろそろ寝ましょうか」
「……うん」
ビアンカが電気を消すと、チェレステは彼女を抱き枕のように抱きしめて目を閉じました。そして五分もしないうちに寝息を立て始めました。
「ほんと、寝付きがいいわね。羨ましいわ」
ビアンカがしばらくその寝顔を愛おしそうに見つめていると、彼女は眉を顰めて不安そうに呟きました。「行かないでビアンカ」と。
「……大丈夫よチェレステ。わたしはあなたを捨てたりしないわ」
ビアンカは彼女を抱きしめ、彼女の表情が和らぐまで何度も「大丈夫」と声をかけながら優しく頭を撫で続けました。
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