ビアンカとヴェルデ

「ヴェルデ、魔法に興味があると言っていたわよね? 魔女様から話聞かなくていいの?」


「う……」


「ふふ。あなた、人見知りだものね。わたしから話をつけましょうか?」


「い、いえ。頑張って自分で話をします」


「偉い偉い」


 ビアンカがくすくすと笑いながらヴェルデの頭を撫でると、ヴェルデは「子供扱いしないでください」と不満そうに唇を尖らせました。するとビアンカは「なら、大人扱いしましょうか?」と妖艶な笑みを浮かべてヴェルデの頬を撫でます。ヴェルデは頬を染め、彼女から顔を逸らしますが、戻され、唇を奪われて、流れるようにベッドに押し倒されてしまいました。


「……もう……すぐそういう流れにもっていくんだから……」


「ふふ。ごめんなさい。好きなの」


「……えっちがですか?」


「あなたがよ」


「……本当に?」


「本当よ」


 ビアンカはくすくすと笑いながら、ヴェルデの三つ編みを解き、手櫛で整えながら唇にキスをします。


「愛しているわ。ヴェルデ」


「……他の人にも言ってるくせに」


「ふふ。それ、ほぼ毎日言われるわ。……こんなわたしを愛してくれて、あなたたちにはいつも感謝してるわ」


「……ずるいです」


「ふふ。自覚はあるわ」


「ほんとずるい……」


「けど好きでしょう?」


「もー! そういうところ!」


「うふふ」


 ビアンカを独り占めしたい。他の恋人といちゃいちゃしないでほしい。ビアンカの優しい愛撫が、愛していると囁く声が、ヴェルデの嫉妬心を丸め込み、溶かしていきます。

 愛する人に愛される幸せを噛み締めつつも、他のみんなもこうやって丸め込まれているのだろうなとヴェルデは呆れるようにため息を吐きました。

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