ビアンカとインダ
「今日、街で可愛いぬいぐるみを見つけたんだが……やはり人目が気になって入れなくて」
クールでカッコいいという印象を抱かれがちなインダ。しかし、意外と可愛い物が好きで、「意外」だとか「似合わない」と周りから言われることを彼女は気にしており、街中で可愛い物を見つけても一人でショップに入る勇気がありませんでした。
「店員さんも気にしないと思うけれどね」
「うむ……私もそう思うのだが……なかなか難しくて」
「ふふ。わたしはあなたのそういうところ、ギャップがあって可愛いと思う。好きよ。来週、一緒にその可愛いぬいぐるみ買いに行きましょうね」
「いや、大丈夫だ。明日ジャラとアラン連れて行くから」
あっさり断られ、ビアンカは拗ねるように唇を尖らせます。
「えー。あ、じゃあ、明日はヴィオラの日だから、ヴィオラと一緒について行こうかしら」
「私は構わないよ。別にジャラと二人きりがいいわけではないから」
そう言ってからインダは「君と過ごす時間が増えるのは嬉しいし」と少し照れ臭そうに目を逸らしながら続けました。
「あら。ふふ。駄目よ。明日のわたしはヴィオラのなんだから」
「分かっている」
「ヴィオラの前でそういうこと言うと『じゃあ今夜は三人でえっちする?』とか言われちゃうわよ」
「そ、そういう意味ではないんだがな……」
「ちなみにわたしも大歓迎」
「私は遠慮しておく……」
「とか言って本当は興味あるんじゃない?」
ビアンカはそう言ってニヤニヤしながらインダの首筋を指先でなぞります。
「や、やめろ。揶揄うな……全く……」
「ふふ。ごめんなさい。混ざりたくなったらいつでも言ってね。他の子は拒否するかもしれないけど、ヴィオラなら歓迎してくれるから」
「しない」
「残念だわ。普段のあなたからは想像出来ないくらい可愛い声をヴィオラにも聞いてもらいたかったのに」
「か、変わった趣味があるな……君は……」
「幻滅した?」
「いや、君が変態なのは知っているから今更だな」
「あら。微妙に傷つくわね」
「ははっ。事実じゃないか」
「むぅ……そういう生意気なこという子にはお仕置きしちゃうんだから」
そう言ってビアンカはインダをベッドに押し倒しました。
「……お、お手柔らかに頼む」
「ふふ。嫌よ。今日はとことん鳴かせたい気分だもの。腕、縛るから。頭の上に上げて」
「……怒ってる?」
「ふふ。ちょっとだけ。ほーら。早く」
インダが素直に両腕を上げると、ビアンカは「いい子ね」と囁きインダの手首を紐で縛りました。
抵抗できない状態で弄ばれ、ビアンカのことはあまり揶揄いすぎない方がいいということを学んだインダなのでした。
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