ビアンカとロッサ
ビアンカは曜日ごとに、七人の恋人のうちの誰と一日を過ごすかをあらかじめ決めていました。週の始まりはロッサ、終わりはヴィオラ。ネラがやってきたことで一日ずれることとなりますが、そのローテーションのシステムは変わりません。本日のお相手はロッサです。
「ロッサ、おいで」
ビアンカがベッドに座り手招きをすると、ロッサは彼女の隣に座り、甘えるように肩に頭を乗せました。
「いつもみんなをまとめてくれてありがとう。大好きよ」
ロッサの髪を撫でながらビアンカはロッサに囁きます。するとロッサは頭を肩から彼女の膝に移動させました。
「……私も好きよ。あんたが連れて来たあの子達のことも。ネラさんのことは、まだちょっとよく分からない」
「ふふ。可愛い人よ」
「自分を殺そうとした相手をよく口説けるわね。呆れちゃうわ」
「泣き顔を見てぐっときちゃって」
「相変わらず女の涙に弱い……」
「ふふ」
くすくすとビアンカが笑うと、ロッサはむっとしながら彼女をベッドに押し倒しました。
「今日は私の日なんだから。他の女の話ばかりしないで」
「ふふ。話を振ったのはそっちじゃない」
「う……そうだけど……」
「やきもち妬いてるロッサ、可愛い」
ビアンカはそう笑ってロッサの頭をぽんぽんと撫でると、身体を起こして彼女をベッドに組み敷き、唇を重ねながら服に手をかけます。
「ちょ……まっ……んっ……」
「誘ったのはそっちじゃないの……ん……」
「そうだけど……っ……今日は私がする……っ……」
「ふふ。やーだ。わたしがするの」
「ちょ……なんで今日……そんな激し……っ……」
「やきもち妬いてるあなたが可愛くて仕方ないから。たくさん愛してあげるわね」
「っ……ん……あっ……そこ……やだ……!」
「あら。嫌なの? やめる?」
「う……意地悪……」
最初はじたばたして抵抗していたロッサでしたが、次第に彼女はビアンカの背中に腕を回し、彼女に身を委ねました。
「可愛い。大好き」
ビアンカがそう囁く相手はロッサだけではありません。だけど、優劣なんてつけられないほど、全員を同じくらい愛しています。ロッサはそれを理解していました。理解していても、嫉妬する時はするものです。
だけど——
「っ……ビアンカ……」
指先や唇による丁寧な愛撫から嫌というほど伝わってくる愛情に、ロッサの嫉妬心はすぐに溶かされていくのでした。
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