#03 お節介





 1限目が終わり休憩時間になると、教室前の廊下を八木カンナがウロウロしていた。


 敢えて気づいてないフリをして、机に突っ伏して寝た。




 2限目の後の休憩時間も八木カンナがウロウロしてたので、また寝たフリしようと机に突っ伏していると、頭をハタかれた。


『いて!』

 ダレだよ!って起きると、桑原が仁王立ちしてた。


「カンナちゃん、栗山に会いに来てたよ。 あんたが寝てるの見て、すっごい寂しそうに帰っちゃったんだよ!」


『なんか言ってた?』


「寝ちゃってるね。また来ますって言ってた」

「カンナちゃんのことが嫌いなの?」


『嫌いっていうか・・・メンドクサイ? 話しかけられても話題無いし、それにあの子のこと狙ってる男子とか居るでしょ? 変なのに目を付けられでもしたら最悪じゃん』


「まぁ、確かに狙ってる男子は居るみたいね」


『でしょ? 今朝だって八木さんと一緒に居た男子がなんか嫌な感じだったし、そういうのメンドクサイから巻き込まれたくない』


「はぁ、とりあえずもう少し優しくしてあげなよ。 流石に可哀相だよ」


『わかった』


「それと、いっしょに居た男子って、多分杉浦くんだね。 前にカンナちゃんと噂になってた、確か幼馴染じゃなかったかな」


『やっぱりあの男子彼氏なのかよ。彼氏居るならそいつと喋ってればいいじゃん。こっち来んなよ』


「ああ、彼氏じゃないらしいよ。噂になった時にカンナちゃんが自分で否定してたらしいから」


『そうなの? 今朝見たときは彼氏っぽい感じで”カンナ”って呼び捨てにしてたけど』


「幼馴染だからじゃない?」


 なんかうっとおしい奴だな、その男子



 そういえば、八木カンナ、昼休憩も来そうだな


『桑原、お願いがある』


「なになに?」


『八木さんがメールでお昼一緒に食べたいって言って来てて、もし今日来たら桑原も一緒に居てくれ』


「え?ヤダよ」


『なんでさ! 散々お節介なこと言っておきながら、見捨てるのかよ!』


「だって、折角の二人っきりの時間、邪魔しちゃ悪いもん」


 、じゃねーよ

 やっぱりこいつ使えねーな





 そしてお昼休憩になると、弁当持った八木カンナが廊下でウロウロしていた。





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