第11話公爵家へ



王宮で生活を始めてから


外には年2回神殿へ祈りを捧げるためにだけ出掛けるくらいしかしなかった。


特に理由はないけど

敢えて理由をつけるならつまらないからだ。



…3年前と変わらない街並み



子ども達が遊んでるのが見える。



1人の子どもが馬車を指差して言った。


「あ!悪女の乗ってる馬車だ!」


「え?あれは王室の馬車だから悪女は乗れないんじゃない?」


「そうだよ。けど今朝父さんが新聞読みながら

悪女が国王なんてこの国は大丈夫なのか?

っていってたからあれは悪女が乗ってる馬車だよ。」


「そうなの?悪い人なのに王様になれるなんて貴族様はやっぱり凄いね。」


「けどカーティス王子は王様じゃないの?」


「知らなーい。父さんは悪女が王様になるって言ってただけだったよ。」


「あーあ、ボクも貴族に生まれたかったな。」



…何も変わってないか


血の聖女の件は恐らく知られてない。

神殿へまだ申請をしに行ってないからだ。



ベリルローズ・ルファーナの名は

相変わらずの評判だ。



王位継承するにあたってどうにか

改善しないといけないな。

国民の信頼のない国はそのうち

壊れてしまう。



どうするか悩み考えていると

御者が私に伝えた。



「聖女様、もうすぐでベリルローズ公爵家でございます。」



思い出すのも穢らわしい

公爵家の庭園が見えた。

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