第27話 The BEATLES

 中学生の授業で、日付(昨日、とか今日とか)の授業の後で、「昨日」とひっかけているのだろうか、ザ・ビートルズの“Yesterday”を流してくれた。有名な曲だ、と英語の先生は言って言われたが、それほどいい曲だ、とは思わなかった。私の中では、今でも“Yesterday”のランキングはそれほど高くない。それはそれとして、その後、FMラジオの30分番組で、たまたまビートルズの"Sgt.Pepper's~“と”Magical Mystery Tour”を取り上げた放送を聞き、それですっかりビートルズのとりこになってしまった。私の青春時代は“The BEATLES”と“Simon & Gurfunkel”に彩られている。初恋の人の近くの椅子に座って、ギターの練習をしているふりをして、”Julia“を歌ったりしていたことも懐かしい思い出である。


 悲しいときにも、うれしいときにも、そばにはビートルズの曲があった。


 なぜ、こんなビートルズの話をここでしているのか、その理由は、ビートルズが医療の世界でも多大な貢献をしているからである。


 もちろんビートルズは音楽の世界だけでなく、社会現象として、様々な分野に影響を与えたことは論を待たない。では、ビートルズは医療の世界でどんな貢献をしたのだろうか?


 診療所にもあり、旧型だがいろいろ役に立ってくれたCT、その基礎研究は1960年代半ばから急速に進歩し、ハウンズフィールドたちのグループが世界で最初の商用CT装置を開発し、1979年に彼らのグループがその功績でノーベル医学・生理学賞を受賞した。ハウンズフィールドの名前は、今でもCT値(空気を-1000HU(ハウンズフィールド・ユニット)、水を0HUとした相対値)に名前を残すが、彼らが当時所属していたのはイギリスのEMI社であった。1960年代のEMI社、と言えば代表的なアーティストが”The BEATLES“である。つまり、現在のCTの基礎研究はビートルズのレコード売り上げで潤沢な資金のあったEMI社で行なわれたのである。ビートルズの音楽が、CTの基礎研究を支えたのであった。


 なので、The BEATLESは、今も、音楽で世界を感動させているだけでなく、その当時の基礎研究をもとに作られたCTの機械で、世界中の人の命を救っているのである。


ありがとう、ビートルズ!!


ビートルズについて語り始めると止まらないので、この章はここで筆をおくことにする。

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