第28話 史上最大の決戦? 戦神シャラザール対怪鳥ギャオース
本来ならここで戦神シャラサールが高笑いするか、のほほんとしていた国王らをしごくか(国王らにしてみれば半死半生のめにあわされて最悪だが)して終わるのだが、この日は違った。
「んっ」
シャラザールは不穏な魔力の気配を感じた。
そして、不穏な気配を感じて大広間の窓から顔を出したギャオちゃんがいた。
二人というか、神、いや、破壊神と怪物の目が合った。
「貴様、ギャオース!」
「ギョェェェェェェェェェェェェェェェェ」
二人の叫び声がすると同時にシャラザールからは雷撃がギャオちゃんからは音波攻撃が放たれる。
ドカーン。
凄まじい爆発が二人の間で起こる。
王宮の壁の一面が一瞬で弾き飛んだ。
シャラザールは瞬時にギャオースに向かう。
飛んできた鉄拳をギャオースは躱すや、足蹴にしようとした。
それをシャラザールが掴む。
二人の力が均衡した。
二人の目がぶつかる。
すべての窓がその衝撃?で吹き飛んでいた。
次の瞬間シャラザールはギャオースの脚を弾き飛ばしていた。
ギャオースは王宮の城壁に突き刺さる。
「ギョェェェェェェェェェェェェ」
ギャオースは叫ぶと音波攻撃をシャラザールに見舞う。
シャラザールは躱すや、後ろの王宮の壁が破壊される。
ギャオースを蹴り倒していた。
また別の城壁にギャオースが頭から突っ込んだ。城壁が一瞬で壊れる。
頭にきたギャオースは今度は立ち上がると火炎放射を行った。
シャラザールはミラーで弾く。
横の建物が一瞬で火達磨になる。
もはや周りの者は逃げ惑うしか無かった。
モニカは唖然とそれを見ていた。
シャラザールが現れたのも一瞬だった。
あれよあれよという間に国王達の親征が決まり、役立たずの貴族や近衛達を戦闘に駆り出してくれたシャラザールには感謝していたが、こんな所で戦いを始めるなんて・・・・
そして、一刻の戦いの後、ギャオースの上にシャラザールが立って勝負はついた。
「ふんっ、ギャオース、貴様、余の上に立つのは1万年早いわ」
「ピッ」
シャラザールの声にギャオースは不貞腐れて横を向いた。
それを呆然と他の者は周りで見ていた。
王宮の塔は倒壊し、壁もほとんど残っておらず、柱がかろうじて建っていたので、なんとか建物そのものは倒壊せずにすんでいた。城壁は穴だらけ、所々倒壊されていた。
周りの建物ももうボロボロで、戦いの凄まじさを物語っていた。
「で、国王。貴様、まだここにいたのか」
自分の王宮の様に衝撃を受けて棒立ちしている国王にシャラザールの目が向いた。
「ひっ」
国王は怯えた。
始祖ですらギャオースを追い出すのに1ヶ月の激闘が必要だったのだ。そのギャオースを完全に倒したシャラザールの強さを間近に見せられて、国王は文句など言えるはずはなかった。
「何故。出陣しておらん!」
「も、申し訳ありません。今すぐ出発します。師団長」
「全軍整列」
「はっ」
もう準備もクソもなかった。あるものは代えの下着も持たず、あるものは模擬剣のまま、整列する。
「只今より出陣いたします」
「んっ」
ギャオースを踏み台にシャラザールは頷いた。
殆どの兵は準備途中で、半壊状態の王宮を出陣していった。
奪回戦が始まった。、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます