女らしく

甘味料

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スカートが嫌いでした。

何処がどう嫌いか何故嫌いか、聞かれても言葉が見つかりませんが、スカートが嫌いでした。

女としてうまれ女として育ってきましたが、どういう訳か生理的に受け付けなかったようです。

周りは困惑しました。

男になりたい訳ではないのになぜスカートをはかないのかと何度も聞かれました。

分かりませんでした。

分かったなら今すぐに理由を説明するのに、自分の事が全く分かりませんでした。

好きな服を着たい。しかしそういうわけにもいかない。

世間に順応しない自分自身も心地が悪く、根の無い草のようでした。

親も親戚も友人も大好きでしたが、「女らしくしなさい」の言葉がどうしたって心の表面の裏側辺りを刺激しました。

出来る事なら、そうしたい。

でも嫌だ。

何故嫌なのか。

分からない。

私は確かに女なのに、女として扱われても嫌ではないのに、何故強制されたくないのでしょうか。

我が儘だ、これは。

みんなそれぞれ嫌な事に折り合いをつけて生きているのに、自分だけが文句を言っている様に感じました。

掲示板では受け止められた言葉も、きっと現実となればそれは叶わないようでした。

無視したら、いつか飽きて終わるんだろうと思いました。

もう私に女らしさを求められることが無くなり、私は私なりの女らしさを知ることが出来るのだろうと思いました。

今は、このままでいい。

もう、いい。

誰も私の話を聞いてくれないし、聞かせたくもない。

時々ふとこの人ならと思う事がありますが、もう希望を持つのを辞めることにしました。

しょうがない。

そう簡単に、人は変わらないことを知りましたから。

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