第7話

「やった。」

「調子いいね~。つぎはぁ~私が行く!」

【第二フェーズへ移行します。】

「あれはB級“エンジェルフライ”です!鱗粉に気を付けてください!」

エンジェルフライ・・・蝶の姿をした巨大昆虫体から数種類もの毒を粉にしまき散らす。

「大丈夫。すぐに終わらせる。」

『‟2丁銃”』

今まで一丁しかもっていなかったマグナムが二丁となった。

『ビリー・ザ・キッドの御霊よ。今こそその力を開放せよ!』

キッドの後ろに小柄な男の子がまるでどこぞの漫画の守護霊のように現れた。

『―—————』

一瞬の間と同時にエンジェルフライは消えていった。

【“エンジェルフライ”の撃破が確認されました。七色の鱗粉を入手】

「いよいよね。」

キッドはそういうと片膝をつきながら自分の腰につけておいたポーションを飲み干した。

「ごめんね。あと一発撃ってしまったらきついかも。」

「任せてください。エンジェルフライ普通に考えて一発で倒せませんから。」

エンジェルフライは見た目に反して装甲が固い。たとえるならば厚さ3メートルの鉛と同じぐらいである。そしてHP《体力》もあり得ないほど多い。B級の魔物の平均HPを100とするならば200は下らないだろう。それを一撃で倒した。そう考えれば今キッドの体には凄まじい反動が来ているはずなのだ。

「?!きます!」

【最終段階に突入します。コードネーム“洞窟の巨人”】

巨大な魔法陣とともに石造りのゴーレムが出てきた。

「・・・A級で名前コード持ち・・・」

名前コード持ちとは本来その魔物本来の能力値よりも高い個体につくものであり、B級の魔物でも下手をすると名前持ちならば町を半壊させる強さを持っている。その名前持ちがA級なのだから相当のものである。

「行きます!」

シシャモは体に雷のオーラのようなものをまとい戦闘を始めた。

「!?」

何かを感じたシシャモは体をひねらせながら後ろへ飛んだ。直後、洞窟の巨人の腕がシシャモのいた場所を通る。

(早い!でもよけられないほどではない!)

シシャモはそう感じた。交互に振られる腕を交わしながら距離を取る。

『‟サンダーⅢ”!』

魔法を打ってみるが聞いてる感じがしない。

(おそらくどこかにコアがあるはず・・・)

‟ゴーレム”とは鉱石やレンガなどの固体、ものによれば水のような液体や魔力や風という気体にコア・・・動力源を入れ込むことによって動いている。個体でできている“ゴーレム”が多いのはコアがむき出しになることがないから壊されにくく、逆にそのほかはどうしてもむき出しに近いため壊しやすいからである。

「どこかに・・・あるはずっ!」

巨体からは想像できない素早さと、一撃でも喰らうと瀕死になりかねない恐怖にシシャモは大きく動けずにいた。

「?!」

ピ―――――――――――――――――

「キャッ!!」

赤い閃光が唐突にシシャモの右を駆け抜けていった。間一髪、集中力を切らさずに戦っていたのが功を制したのかシシャモは頬に一直線の傷が入るだけで済んだ。そして、

「分かっ・・た・・・コアの位置が・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る