第74話期待のない舞台
俺の名前は秋篠亮太。しがない映画監督だ。今日は娘が高校でやる演劇を観にわざわざ休暇を取って観にきた。でも聞いてみれば、娘は劇に出ず、なんでもナレーションを務めるとのこと。なら別にわざわざ休暇をとるほどのことでもなかったなと若干後悔しつつも、劇が始まるのを待つ。
つってもまあ、ほとんど期待はしていない。所詮高校の文化祭。ましてや演劇部でもなんでもない、いわば本当の素人だ。期待しろってのが無理な話だ。
だが台本を書いたのはこの俺な訳で、台本通りにやれば多少マシだろう。でもマシな程度で、観客を沸かすことなんてできやしない。劇の時間は三十分と言っていたが、この三十分が無駄に終わるのは分かりきっている。
素人のヘッタクソな演技にイライラするかもしれない。やっぱり帰ろうかなと思った矢先、ビ ––––––––––––––––っと体育館中に大きな音が響き渡り、舞台の幕が上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます