第33話アトの過去
これはアトとカールがまだ城に住む前の話。
「ねえ、カール私怖いの一誰かが襲ってくるかもわからない恐怖に私は耐えられないの。」
アトは常に周りの物に恐怖していた。
アトが泣きながらカールに抱き着いていた。
「大丈夫、僕が守るから。」
カールはアトの背中をたたき慰めた。
「そうだ、明日君が欲しがっていた宝石を見に行こう。」
二人は宝石屋に入り宝石を眺めていた。
「ほら、君が欲しがっていた宝石だよ。」
アトが前々から気になっていた宝石をアトに見せた。
アトは別の宝石に目をやっていた。
「お前に力をやろう。怖がることのない力だ。」
アトの耳に何者かの声が聞こえていた。
「ねえ、カール今何か言った?」
「いや何も言ってないよ。」
「そう、。」
アトはその時疲れて幻聴が聞こえたのかと思った。
「その宝石にする?」
アトが一つの宝石を見ているとカールが聞いてきた。
「この宝石はいったい何ですか?」
カールが店の人に宝石のことを聞いた。
「はい、こちらは先日ある人が持ち込まれた一品でございます。他の宝石と比べると比較的に大きくそして強く輝くのが特徴です。」
「どうする、アト?」
「これにするわ。」
アトは何かに導かれるまま保積を選んだ。
「これを頼むよ」
「かしこまりました。」
カールは店の人に耳打ちをした。
「これを指輪になるように頼むよ。」
店の人は静かに頷いた。
アトとカールは宝石が手渡されるまで店の宝石を見ていた。
「お客様こちらが商品でございます。」
カールは指輪を受け取るとアトと一緒に家に帰った。
「アト、君にこれを。君は僕が命にかけても守る。」
そう言ってカールはアトに指輪を渡した。
「カールあなたと結婚して本当に良かった。」
アトは指輪見て喜びカールに抱き着いた。
カールは左手薬指に指輪をはめた。
次の朝カールは仕事に出かけアトは家の仕事をしていた。
「女、お前に力を与えてやる。」
家の中からどこからともなく声が聞こえてきた。
「誰?誰なの?」
すると指輪から声が聞こえた。
「俺はオロバス。お前に力を与えてやる。」
するとアトの目の前が真っ暗になり目の前にオロバスが現れた。
「な、なんなのあなたは!!?」
「俺はオロバスお前に力を与えてやる。この力があればお前はもう怖がることが無くなる。お前を襲うものはいなくなる。さあ、俺と契約をしろ。」
「契約?」
「そうだ、お前に力を与えてやるその代わり俺の言うことを聞け。」
「本当に何も怖がることはないの?」
「ああ、そうだ。」
「分かったわ、あなたと契約する。」
「契約完了。」
目の前からオロバスが姿を煙に変えアトの指輪に入っていった。
「・ト、アト!起きろアト!!」
目を開けるとカールが目の前にいた。
「カール?」
「よかった、いったい何があったんだ?」
「オロバスが・」
「オロバスそいつが何かしたんだな。どこにいるんだ!」
アトの頭の中にある光景が見えた。
その光景は壁にかけていたナイフをカールが取ろうとした瞬間落ちてカールの脚に刺さる光景だった。
「待ってカール!」
「どうしたアト?」
するとカールの脚があった場所にナイフが落っこちてきた。
それはアトが頭の中で観た光景だった。
「なんでナイフが勝手に。ありがとアト、君が呼んでくれなかったら僕の脚に刺さっていたかもしれない。」
「いや、いいのよ。」
その日カールが寝た後アトは眠れずにいた。
「女、あれが俺の力だ。過去現在未来そのすべてを見ることができる。見たことは確実に起きる。未来に起きることは帰ることができる。お前が王になることも可能だ。」
「別にそんなことまで望んでいないわ。」
「じゃあ、アト僕は仕事にって来るね。」
カールが仕事に出かけいつもの日々を送っていた。
「確か少しなら、離れられたよな。」
オロバスは後から少し離れカールの横に積み重ねられていた木材を崩した。
その時アトの頭の中には今日着ていた服ののカールが木材の下敷きになる姿が見えた。
アトはすぐさまに家を飛び出て叫んだ
「カール!!今すぐそこを離れて!!」
アトの声が聞こえてカールは歩くのをやめて止まった。
カールにはアトが何を言っているのかわからなかった。
カールはとりあえずアトに手を振った。
すると積み重ねられた木材が崩れカールは巻き込まれた。
アトはすぐに駆け付けた。
町の人が木材を上げてカールの上からどかしていた。
カールは頭から血を流して気絶していた。
アトはすぐさま病院に運ばれた。
カールはしばらく入院することになりアトは病院に通うことにした。
「カールあなたが居なければ私はどうすればいいの?」
アトが家で一人の時にオロバスが話しかけてきた。
「お前が王になれば、誰もお前も、カールも傷つけることはない。」
「誰も傷つけられない。」
「そうお前が王になればいいんだ」
アトの中で何かが変わった。
「カール、私も今日から家の外でも働こうと思うの。」
「別に構わないけど、無理だけはしないでね。」
「ええ、もちろんよ。」
それからというものアトは働きに働き、職場で一目置かれる人になっていた。
「アト、最近働きすぎだよ少しは休まないと。」
カールが心配してアトの肩を触ると
「私にかまわないで!!」
「アト・・・」
カールは初めて見たアトの様子に驚いていた。
アトとカールの心の距離が離れていたのをカールは感じていた。
その後もアトは働きいつの間にか国の政治にかかわる仕事についていた。
「アト、凄いじゃないかこんな短期間で政治に携わる仕事に付けるなんて。」
カールはアトのことを褒め称えた。
「当り前よ、こんなところでは止まっていられないわ。」
アトは、国のトップの人たちの過去をオロバスの力で知り、逆手にとって脅し手玉に取ったり、未来を見て恩を売ったりしてみるみる昇進していった。
そしてすぐにアトは王に仕える家臣になった。
アトは王に王妃の秘密を話し、王妃に王の秘密を話し二人は互いに殺しあった。
王妃が王を殺したと兵士に伝え王妃を捕らえ、開いた王の座を狙って売った恩を使ったり、過去のことで脅したりしてアトは無理やり支持をを集めた。
そしてアトはその国の初の女性の王になった。
国名をオンバスに変え。
王になるとアトは自分の地位を守るため反逆されそうなものは一つ残らず消した。
ある時オロバスはアランによって倒される未来を見た。
「アトよ俺を倒すものが時期に現れる。」
「そんな、あなたがいてこその今なのよ。そいつを殺せばあなたは大丈夫なのよね?」
「ああ、そうだ。だがあいつは俺が動けばこちらに気づきすぐに来るだろう。」
「それなら、カールを使えばいいわ。」
「確かにそうだな。」
「でも一度はその人を見ておきたいわ。」
「分かった、ばれないように一度お前から離れ馬に付くことにしよう。」
そうしてオロバスは馬に付いた。
「アトよアランが私に気づいたすでにこちらに向かってきている。」
「大丈夫、すでに策は考えているわ。」
アランに会うためアトはカールを連れてアランを迎えに行った。
オロバスを国において。
アトはアランを探しにカールに馬車を走らせた。
そしてフラウロスの炎を見て居場所を確認した。
オロバスが兵士を操り盗賊に着替えさせあたかも襲われているように見せた。
「この盗賊たちに殺されてくれればそれそれでいいわね。」
しかし、アランとアンドロマリウスによってそれは破られた。
「何よこいつ、こいつも悪魔を連れているの!?いいわ国に連れていきそこで始末すればいい。」
そしてアラン達を宿に止め機会を伺った。
「アトよ、なぜすぐに始末しない?」
「大丈夫、カールにも未来のことを伝えてあるわ。アランが何かをもらうことも。中身を聞いてくるようにもしたわ。」
カールがアランを送り届けアトの元に戻った。
「それでカール、中身は何だったの?」
「それが、一向に教えてくれなくて。」
「この役立たず!!どうしてそんな簡単なことができないの!?」
アトはカールを鞭でたたいた。
カールの体には鞭で付いた傷が目立った。
「いいわ、あたし直々に聞いてやる。明日の朝私をドーボの元に連れていきなさい。」
「でも、明日はまたアラン君と。」
アトはカールを鞭でたたいた。
「カールのせいでこうなったの!わかるわよね!?」
「ハイ!分かりました!」
そうして朝アトをドーボの店に連れていき殺害した。
「カール、この服戻ったらすぐに洗いなさい。」
ドーボの返り血が付いた服をドーボに洗わせた。
「これじゃあ、血の臭いが付いちゃうよ。もうこんな時間水に浸けといて後は戻ったらにしよう。」
結局カールはアランの迎えに遅刻した。
「アト、アラン君たちが明日二人で行動するって。どうすればいい。」
カールが慌ててアトに知らせに戻った。
「なんですって!オロバス、またあなたの力を貸して。」
「いいだろう、オッベディアンザイプノジ・・・これで、この町の住民はお前の手足になった。」
「さて問題はアランね。カール、アランをここに連れてきなさい。いい?身動きできなくして連れてくるのよ。」
「分かったよ、アト。」
アトを離れた後カールは乗り気ではなかったが操られた兵士を使いアランを捕まえるように言った。
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