第16話変わる表情
時間は町の住民が食事をしているころ教会では三人の悪魔の戦いが始まろうとしてた。
食事をしている人たちは皆和気あいあいと食事をしていた誕生日を迎えている家族、普通に食事をしている家族、家族が集まってなど様々な食事をしていた。
警備兵は、今日も町の警戒に力を入れていた。
教会の中がオレンジ色に時々光った。
「燃えろ燃えろ燃えろ!!」
フラウロスは炎をブエルに連発していた。
それを脚と五本のヤギの脚を使い時に防ぎながらよけていた。
行き場を無くした炎は着弾点にあるものを燃やし始めていた。
アンドロマリウスはブエルがよけた先に先回りするも攻撃を躱されてしまう。
「なんと器用な。」
アンドロマリウスはブエルの器用によけるさまを見て褒めていた。
フラウロスは炎が当たらず半ばやけくそに炎を飛ばしていた。
次第に教会は炎の海になっていた。
「これでもう避けられないだろ!」
そう言ってフラウロスは今まで撃っていた炎の二倍ある大きさのものをブエルに向かって撃った。
辺りを炎の海にしたフラウロスは絶対にあたると確信して笑いながら放った。
フラウロスが炎を放った瞬間ブエルは祭壇の後ろステンドグラスを割って町の外に出た。
それを追ってフラウロスが我先にと追いかけようとしたが見えない何かに引っ張られた。
「なんだこれ!?」
アランもその様子を見て驚いた。
アンドロマリウスは、アランに説明した。
「召喚者と悪魔は一定距離はどうやら離れることができないようです。私がジャックといるときにそれは発覚しました。その距離は、約200メートルほどです。」
アランはハーゲンティに説明を受けるとブエルを追うため教会の外に出た。
外には、教会が燃えていることに気づいた住民が集まっていた。
その数は止まることを知らずどんどん群がってきていた。
奥からは兵士達が消化のために駆け寄ってきていた。
アランは人ごみの中を進み教会の裏を目指した。
アンドロマリウスの千里眼を使い逃げるブエルを追っていく。
「あそこの、角を曲がったところです。」
そうハーゲンティが言うとフラウロスが我先にと角を曲がった。
フラウロスは炎を瞬時に打てる状態で曲がった。
「そこか!!」
フラウロスが見たのは誰もいないただの暗い路地裏だった。
フラウロスはあたりを見渡しブエルを探していると
「フラウロス様後ろです!!」
そうアンドロマリウスが言って、フラウロスが振り向くと五本のヤギの脚を壁と壁に当て上っていたブエルがそこにいた。
ブエルは振り向いたフラウロスに向かって飛び掛かると反応が遅れたフラウロスは攻撃を直に当てられた。
「フラウロス大丈夫か!?」
アランとアンドロマリウスが角を曲がり見た光景は、ブエルと面と向かって立っているフラウロスだった。
アランが目をよく凝らすと、フラウロスの左腕が無くなっていてブエルがフラウロスの左腕を持っていた。
フラウロスの左肩からは大量の血が流れ出ていた。
流れたちは雨でどんどん広がっていた。
それをフラウロスは右手に炎を出すと傷口に当て血を止めた。
「あら?左腕をとったのに何の反応もないなんてつまらないわ。やっぱりいたぶるのは人に限るわね。
私が町で人襲った後襲われた人はどうなると思う?また私の元へとやってくるのよ。何も知らない兵士が私のところに持ってきやすいように朝には治してあげないといけないけど、それまで何度も直しては壊して直しては壊してをしてきたの。壊すときの人の悲鳴が私は大好物なの。」
ブエルが取ったフラウロスの左腕をさすりながら人襲ってきたわけを話した。
「でも、それもあなたたちのせいでもう終わりにしないと。こう襲われるんじゃ安定して活動できないから。あなたたちを追えないようにした後私はまた別の町を目指して人を襲い続けるわ。」
ブエルはフラウロスの腕を取って勝ち誇った気分なのか高笑いをしていた。
ブエルが笑うと雷が落ち、雨でぬれ笑う顔が照らされた。
余裕そうなブエルを見てアランが笑う。
ブエルが笑いをやめ首をかしげ目を丸くしてアランを見つめる。
フラウロスも振り向き笑うアランを見る。
「なぜ笑う!?」
「なぜ笑っている!?」
ブエルとフラウロスが同時にアランに言った。
それでも笑いをしばらく続けるアランが笑いをやめた。
「フラウロス、その時が来たら広範囲に炎を撃て。」
アランはフラウロスにそう告げるとフラウロスは顔だけをアランに向けていたが体全体をアランに向けなおした。
「そんなんじゃ、あいつは燃やせねえんだよ!雨も降っているせいで余計に威力も落ちる。勝ち目なんかないぞ!」
フラウロスはアランに向かって怒鳴った。
アランの考えが分からず腕を取られたフラウロスは焦っていた。
「そうよ、多少のやけどなら自分ですぐに直せるしそんなことしても無意味よ。」
ブエルは教会での戦いのときにわずかに負った火傷をアランの目の前で直して見せた。
ブエルは傷を治すとまたしても壁と壁にヤギの足を当て壁を登り始めた。
「この街中で私は多くの人を襲ってきたの。この町に地の利がある私にあなたたちが勝てるわけがないのよ。それにしても、さっきからこの匂いは何なの?」
ブエルの周りには甘い果実のような匂いがしていた。
体についた液体をブエルは舐めた。
「何これワイン!?あなたが何かしたの!?」
ブエルが甘い匂いがするといった正体はワインだった。
雨の水がいつの間にかワインにに変わりブエルを濡らしていた。
ブエルはアランが何かしたと思いアランを睨んだ。
ブエルの顔は優越そうな顔が驚愕の顔に変わっていた。
アランはブエルと目を合わせると、胸の高さまで右手を持ってきて右手の人差し指を空に向けて指した。
ブエルは真上を見るとそこには、魔法陣が広がっていた。
暗闇の雨が降る中それをしていたのはハーゲンティだった。
アランはアンドロマリウスと角を曲がる前にハーゲンティを召喚してブエルの上空に水をワインに変える魔法陣を展開するように指示を出していた。
「まさか!」
「今だフラウロス!!」
ブエルが気づいたとき表情は絶望の顔に変わった。
アランはフラウロスに炎を出すように指示を出した。
「ちっ、わかったよ。」
フラウロスはアランに向けていた体を急いでブエルの方に向け残った右腕で広範囲の炎を出した。
ブエルは避けようとするが、範囲が広くよけきれず炎が体に当たった。
当たった炎は小さなものだったが、ワインに濡れたブエルの体を一瞬で炎で燃え上がった。
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