第12話邂逅
ミキともう一度会えたと思った時、彼は変わってしまっていた。
自身では気づいていなかったけれど、もう人格が人間からかけ離れていたからだ。
様々な神と呼ばれる者や悪魔との会話で考え方が変わってしまったからだ。
人間の生き死にすら、ただの現象だと捉えるようになっていた。
彼が私がいない間、ひたすらしていなかったことをさせることにした。
「神とはなしてみたい?」
「話してみたいけれど、悪魔は大丈夫なんだろうか」
神と悪魔はそれ程相性が悪いと思っていたのだろうか。
「神は悪魔とそんなに相性悪くないよ」
「わかった」
神はそれを見ていつも心配していました。
考え方が間違っていると思っていたから。
そして神との邂逅をするのです。
「あなたたち、悪魔はコバヤシ君を堕落させました。よって滅ぼします」
「ああ・・・ついにこの時が来てしまったか」
悪魔は堕落させたことを後悔していました。だから死んでもよかったのです。
(このままでは悪魔が滅んでしまう・・・友達になれたのに)
必死に彼は考えた。死なない方法を。
神と悪魔は力関係が圧倒的で戦いにもならないでしょう。
・・・!
1つひらめきが生まれました。
(理由を・・・奪ってしまえば・・・・!)
コバヤシは言葉を発する前。
悪魔の盾になるように立ちました。
「なにを・・・!」
「お前たちの戦う理由はなんだ?」
「・・・!」
何も言えませんでした。天使の軍勢は彼の言葉で動きを止めました。
「戦う理由がないというのなら、帰れ」
「なに・・・を・・・」
神は驚きました。天使の軍勢は青年のその言葉だけで止まったのです。
彼は神に恋をさせてしまったのでした。
叡智の魔王 どれいく @dorei
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