第8話再開

彼のもとに帰った後、私は絶望した。

「ミキ、頑張って生きるから。死んだあと会えるならあきらめないから」

私を見送ったと思ったあと死んだ目でそう自分に言い聞かしていた。

周の肉体を使ってお母さんと話したり、いま一緒にいるよって言っても彼は認めてくれなかった。

「こんな話、誰も信じてくれるわけがない」

いつもそう思っていたからだ。

「守護霊を変わってもいい?」

彼にそう聞いたら迷わず答えた。

「わかった」

いつも私がいると思っていたい。その希望だけで生きていた。

そんな日々の中で、決定的な出来事が起きた。








「クトゥルフ神話か・・・すごいなあ」

旅館のバイト中、ごみを捨てに外に出る。息が白くて寒い。

ミキとのあの出来事はまるで夢のようで現実だと思うのは並大抵の苦労ではなかった。

毎日辛かったけど、彼女との思い出で耐えることが出来た。

そんな夜。

「お前はなんだ」

勝手に口が動く。この感覚、まさか・・・!

「ヨグ・ト・ソースという悪魔だ」

これは新たな出会いだった。

楽しくてバイトも忘れて外ですっかり話し込んでしまった。

この出会いが新たな試練になるとも知らずに。


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