第6話
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それから十数年の月日がたち、芦屋亮一は今もあの夜以来に失踪した七緒を探していた。智久が忙しく仕事を与えるから、中々探しに行けないのだが、亮一は必死で七緒を探した。
🌑27
そんなある日、亮一の本妻キャッシーが離縁を申し出てきた。驚く亮一にキャッシーは「智久さんと私一夜限りの愛を交わしたから」不倫女はもう一人でも大丈夫よと言って彼女の分の手続きを行った。茫然とする亮一は智久に聴かなければと芦屋の豪邸に車を走らせた。
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「ぷくぷくぷくん?」
豪邸から出てきた小学生の少年が亮一に聴いた。驚きを隠せない亮一にその子は「僕のパパとママはぷくぷくぷくんなんだ」酷い話だよね、僕の立場も考えないでと愚痴る。その言葉からまさかと思った亮一は「お母さんは七緒さん?」と聴いた。「そうだよ」と笑う少年は「はじめましてお父さん」と亮一に笑った。「こう見えて僕、不妊症だから養子縁組をした智久パパの後継ぎなんだ」と少年が話終えた時、豪邸から智久と七緒が現れた。
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「あの夜、七緒先生の本音を聴いて十数年待てるなら、こうしようと賭けをしたんだ」とキャッシーには悪いけどと智久が喋る横で、ぷくぷくぷくん達は固く抱きしめあった。
了
ぷくぷくぷくん【ノベプラ初掲載】 宝希☆/無空★むあき☆なお/みさと★なり @nkomak
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