第5話
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という話を聴いて七緒は泣き出してしまった。この痛みを埋める為にお見合いをするべきか?と諦めの気持ちに苦しくて、ひたすら泣き続けていた。呆れた智久は「何で、あんな年下に恋なんかし続けたんです?」と怒っていた。「ヤツは本気で先生に恋し続けていたのに」と怒気をはらんだ声で伝えた。「両想いなら、さっさとくっつけよ」と苛々していた。七緒は「私お見合いするかもしれないの」と放心状態で芦屋の豪邸から帰宅した。
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それから数日が経ったある日、七緒は亮一の姿を見た。息をはずませて焦っている様だ。驚く七緒に亮一は噛みつくかの様な勢いで「もう結婚したんですか?」と聴いた。胸が熱くなって、つぅーと涙ぐんだ七緒は「速いね。流石、智久君」と笑う努力をした。そんな七緒を見て亮一は「僕は今でも貴女に恋してます。だから、智久の話に冷静でいれなかった」どうか、誰とも結婚しないでください。と、亮一も泣いていた。
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「無理、私こう見えて弱いから」と七緒は笑った。その綺麗な顔を見た亮一は冷静な口調で次の様に言った。「ぷくぷくぷくん、僕のぷくぷくぷくん。どうか僕だけの本当のぷくぷくぷくんになってください」と言った。「僕のお妾さんになってください」と冷たい声を発した。「正式な奥方にはしてあげれないけど、僕を想う貴女を誰にも渡せない。拐いたい」と彼は本心を発した。
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「僕はズルいから妻とは清い仲なんです。そういうことは貴女以外に考えられないから」と熱く言った。奥方への熱い嫉妬を圧し殺せた七緒は例のハンカチーフで涙を拭う。「Kの意味は穏やかと智久につけられたから」僕は僕のぷくぷくぷくんに大切なソレを大切にされたかった。亮一は七緒を抱きしめて熱い胸のうちを打ち明けた。「じゃあ今夜、私は亮一君のぷくぷくぷくんになります」とときめきを隠せない七緒は亮一を受入れる決意をした。
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「妻には酷い話なので一度きりで耐えられますか?」亮一の声が甘くなる。「大丈夫。私、貴方となら強くなれるから」七緒は最初で最後の1回を大切に人生をおくる決意をした。そして、その晩二人は熱く結ばれた。
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