第2話
06
授業が終わり生徒達を見送る七緒は芦屋智久に声をかけた。「ねぇ、芦屋君。ぷくぷくぷくんって知ってる?」と聴いた。くすりと笑った智久君は「それなんですか先生?」と笑いながら取り巻きを連れて教室に戻っていった。
🌑07
「やっぱり気のせいか?」と七緒は芦屋亮一君と話してみたいなと思った。次の授業は無かったので保健室を覗いたが、誰も休んでいなかった。残念と立ち去る七緒の知らぬところで、亮一が「ぷくぷくぷくん見っけ」と笑っていた。
🌑08
芦屋財閥には表の顔と裏の顔があるらしく、智久と亮一は教室でも距離をおいていた。噂なのだが影武者をする影は26の顔があるらしい。そのアルファベットと呼応する人格は主の智久がダーツで決めたらしい。影の亮一は演劇部でもないのに、その人格を形成する訓練の為にしょっちゅう授業を休んだ。
🌑09
授業を全てボイコットされてる七緒の知るところ亮一は一人で毎日毎日人格を演じ分けていた。それが目だたないのは智久のなせる技だけではなく、真剣な亮一の実力よねと思う勝手に隠れて授業参観をしてる七緒だった。勝手に授業参観してる理由は「ぷくぷくぷくん」の謎が知りたいけど、亮一が音楽の授業を全部ボイコットするからだ。話しかける隙すら与えられていないから。
🌑10
そんな亮一をずっとつけていると七緒のハンカチーフと同じハンカチーフでトイレで手を拭いている亮一を七緒は見た。たかぶる「ぷくぷくぷくん」の少年疑惑。七緒は実験してみる事にした。「芦屋君。ハンカチ落としたわよ」とKのイニシャルのハンカチーフを拾うふりをする。
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