6食目、プロローグ6
カズトが帰ってきた頃には飲食店に限らず店に重要な物が出来上がっていた。
それは……………看板である。おそらく、ミミのお手製だろう。老舗みたく扉の上にデカデカとデザインは誰が考案したかは知らないがこう書かれていた。
お食事処レストラン"カズト"と
店の名前の下にはカズトの愛用武器である聖剣エクスカリバーの絵が描かれている。おそらくミミが作成したのだろう。
「ただいま」
「おかえりなさい。それでどうでした」
「あぁ引き受けてくれたよ。それよりも…………似合ってるな」
扉を開けて出迎えてくれたのはレイラ。ただいつもと違って王都や旧都付近では絶対に見られない服装をしていた。その服装とは━━━
「カズト、そ、そんなにジロジロ見ないで下さいよ。恥ずかしいです」
「似合ってるんだから、そんなに恥ずかしがる必要ないのに。これからこれで接客するんだよ」
「それはそうですが…………」
レイラがモジモジしてると奥から同じ服装をしたドロシーとミミがやってきた。まるで簡易的なファッションショーを見てる気分だ。
「私はどうですか?似合ってますか?」
くるっと回転をし全体的に見せてくる。
「これがカズトの世界での服ですか?」
「あぁうん、そうだよ。他にもあるけど、それが良いかなって」
「何故ですの?」
「それは…………俺の趣味だ」
自信満々のドヤ顔で言い放った。
「ミミは厨房をやるから着替える必要ないですが。それにメンドイし」
「そんな事ないよ。動き安いでしょ。チャイナ服は」
カズトはチャイナ服とメイド服のどちらかで大いに悩みまくった結果、チャイナ服の方を押すことにした。
カズトの世界では、コスプレだがメイドはメイド喫茶に行けば会える存在となってる。本当のメイドとは大部分が違うと思うがな。
だが、チャイナ服は違う。中国のイメージが強く中国料理店にいそうだが、そうそう中国料理を扱う店は少ないのだ。勘違いしてる人の方が大半だが中華料理と中国料理は根本的に違いがあるのだ。
中華料理は和風中国料理の事で、つまり日本風に中国料理をアレンジしてるのだ。
それにくわえ、中国料理は本場中国の料理をそのまま出しており、中華料理にはあって中国料理にはない料理も存在する。
よって、希少なチャイナ服をカズトは男のロマンとして感じてる。
スラッと出てる素足がセクシーに出、ミニスリットの切れ目からはショーツが見えそうで見えない。このドキドキ感、たまらないと思わないかな。
それにピッタリと肌に布がフィットし身体のラインが否応なしに判明していまう。まぁ三人共にモデル並みの美形と体型(ミミ以外、別に悪い意味ではない。ロリ体型なのだ)の持ち主で、それでいて似合ってるから問題なしだ。
胸元も大きく開いており、谷間が見えている。これで男客は多く入る事受け合いだろう。もしも、お触りしたらそこはこっぴどくそれ相応の痛い目に合う事になるがな。
「恥ずかしいけど、カズトがそう言うなら我慢するのよ」
「レイラ、普段着てる鎧よりも露出は少ないじゃないか。何処が恥ずかしいんだ」
「あれはあれです。普段から着てるから恥ずかがる事はないの。だが、急に違う服を着ると恥ずかしいの」
レイラが普段着てる冒険者としての防具は―――――露出が多いビキニアーマーなのだ。それに比べるとチャイナ服なんて露出は無いに等しいとカズトは思う。
「レイラばかり誉めてないで、私も誉めてください」
ドロシーがそう言うとレイラと同じくチャイナ服を着ているドロシーがレイラの隣に立っていた。
魔法使いの帽子を被ってないドロシーは新鮮で、しかも普段はローブを着用しており、レイラとは真逆でドロシーだと露出が多いような感じ思えてくる。
新鮮な分、ギャップ萌えと言ったら良いのかとても似合い過ぎて目が離れない。
「……………」
「な、何か言ってください」
「あ、悪い。似合ってて、つい見惚れていた」
「お、お世辞でも嬉しいです」
「何か私との態度とえらい違いがあるように見えるの」
「気のせいだ。それよりも、開店の準備だ」
まだまだやる事は山程ある。店舗自体はミミの魔法で新築同然となっている。後はテーブルと椅子の数が足りないのと、料理道具、食器類を揃えなければならない。
だが、これを一気に揃える方法がある。それはカズトの【
野菜は商人ギルドで、どうにかなるとして問題は肉と魚介類だ。
魚介類は古都から四日行ったところに港町シーベルトがあるが魚介類は鮮度が命だ。どうしても、海の魚は高くなり一般市民には高嶺の花状態になる。近くに川は流れてるが川魚は人気がないのが現状だ。
肉は豚肉以外は人気がない。牛や鶏は痩せてるのしか出回らないからだ。
この二つをどうにか仕入れるには、簡単な方法で【
他の方法としては魚介類に関しては朝早くカズトが【
肉に関しては【
これで食材は大抵揃うだろう。最後にメニューを作成しなければならないが――――――カズトの頭の中で既に出来ており、それを紙に書き記しそれぞれのテーブルにメニュー表を、壁にでかでかとオススメメニューみたく貼れば良いだけだ。
これから四人で頑張って行く訳だが、俺とミミは厨房で料理担当、レイラとドロシーは接客担当になる。
ミミは俺の記憶を読み取る事が出来るので、特に教える事は無く問題はレイラとドロシーに接客の基本を教えなくてはならない事だが、これもあっさりと解決してしまう。
ミミの記憶を読み取る魔法、これは第三者にも見せる事も可能らしく一瞬で解決してしまった。
これで開店日オープンを待つだけになり、どんなお客様が来るのかと今から楽しみである。
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