第10話

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藍い海の遠くで魚たちが波間を翔んでいる、そんな気がした。

「君達の初夜はべーさんはバス前方と沙代ちゃんは後方で行ってもらうよ」それが契約だから、という医療従事者にホッとしながら、苛々した沙代ちゃんはいれてもらった紅茶を美味しそうに飲んでいた。ピーカンな昼間を過ぎ、夕暮れに突入した頃だ。

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「問題ありません」拍子抜けした沙代ちゃんは窓から夕暮れを楽しんでいた。運転手は後方で眠り込んでいた。べーさんは「馬に蹴られたいのか?」とふざけて言った。医療従事者は「契約だから、我儘は許さないよ」と言ってべーさんの権利を示した。沙代ちゃんは「私の脳裏がべーさんにも見えたらサザンクロスを見せてあげられるのにね」と笑った。

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「それは可能だよ 」べーさんが言った。じゃあ「あの星空を一緒に堪能しようね」と赤くなる沙代ちゃんは、べーさんは星空を体感しながら蝋燭に息を吹きかけるのかな?と想像した。「悪い?」べーさんの事務的な口調に、怒ってる怒ってると思った沙代ちゃんは「初めてだから優しくしてね」とソフトに言った。

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顔を赤くしたべーさんは「任せろ」と不敵に笑った。医療従事者は「二人ともよろしいか?」と聞いて二人の了解を得た。美しい夕暮れにつづくは満天の星空だった。沙代ちゃんは後ろのガラス越しにそのビジョンを念じた。「何もしない方が見えるから、任せて」とべーさんの発言。わくわくしてきた沙代ちゃんは、べーさんが蝋燭に息を吹きかける要領を開始しだした。

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「ちょっとちょっと待って」アソコに感触が走った沙代ちゃんは、安心していたので意外に驚いた。「それはダメ」とべーさんの吐息が沙代ちゃんのアソコを攻める。わからないけど、沙代ちゃんは、練習していたべーさんの唇の形を想像した。「あのあありがとう」お母さん、産み落としてくれて。ロマンチックな気分の沙代ちゃんは、視線をあわさない様にしてる医療従事者と運転手を意識して恥ずかしいと照れた。

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