第7話
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それとも、べーさんの後を継いで私がモルモットになればいいのか?沙代ちゃんは悩んだ。「こんなに美しい縄張を見せてもらっていてタダは無いよね」ぽつりと沙代ちゃんは呟いた。「お母さんになれない体だよ」って、どういえば良いのかわからなかった。
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「君の病気の遺伝の事を気にしてるのかな?」沙代ちゃんは医療従事者に声をかけられ「残念だけど」べーさんの体には「子作り」をする体力は無いよとしみじみと言った。「じゃあアソコに吐息を吹きかけるだけなら」なんで、べーさんは意固地な子供の様に練習を繰り返してるの?沙代ちゃんは「わかんないよ」と叫んだ。
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「べーさんの意図は知らないけれど「一人前の男」としてあの世に逝きたいのじゃないのかな?」医療従事者の言葉に「「一人前の男」って、えっちの有無で人格が決まるわけないよ」と続けた。大人の男どもの気持ちが解らず悔しいから、沙代ちゃんは星空を一生懸命見ることに専念した。
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医療従事者は「べーさんは長くないよ」後悔するのは誰だと想う?との思念に満天を見ながら涙する沙代ちゃんだった。
美しい満天に広がる星空の光るひとつの星になりたいと夢見がちに思ったのは沙代ちゃんだった。気がついたら運転手の膝枕で、飛び起きた沙代ちゃんは、へらへら笑いながら沙代ちゃんを見る彼に「何してるんですか?」
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と怒鳴ったあと「ごめんなさい」「ありがとう」と謝った。運転手は「べーさんの具合が良くないから」しばらくバスは運転をしないよ。と、べーさんと一緒に星空をプレゼントしてくれた。「私が異空間につながってるとも知らずにドアを開けてバスから落ちそうになったのを助けてくれたから」と沙代ちゃんは泣き出した。「そうだと想うよ」
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