第5話
21
「戻った」ぜーはーする沙代ちゃんに医療従事者が、勝手な事はするなと怒った。「行かないでくれてありがとう」とべーさんの思考が聞こえた。驚いた沙代ちゃんは医療従事者にべーさんの容態を聴くも「企業機密」とあしらわれた。
仕方がなくキッチンで水を飲むと沙代ちゃんは窓越しに青い天海を見ようとした。
🌑22
「えぇっ」沙代ちゃんに見えた外の景色は夕方になっていた。茜いろの美しい夕暮れに、またしても目を奪われる沙代ちゃんだった。夕べのしらべに「素敵」沙代ちゃんは寝ぼけた運転手の腕をブンブンふりまわした。「まだねむらしてくれー」運転手が寝ぼける。
🌑23
くすくす笑って沙代ちゃんは彼の腕を放した。べーさんは言ってたな「夜空の方が良い」って。沙代ちゃんは興奮したので、べーさんの容態を忘れていた。太陽が海に沈むと茜いろだった夕やけは星空へと変わっていった。
「南だからサザンクロス座見えるかな?」沙代ちゃんはどきどきしていた。
🌑24
爆睡中の運転手とは離れて後方黒のカーテンで覆われたガラス越しの夜空を見ようとする。カーテンからひょこっとガラスに顔をくっつけた。満天の星空のもと、流れ星すら見えそうな美しい大気に覆われた星空。テレビで見た映像とは違い、なんとも美しい。「悪いね。灯りは消せないんだ」と医療従事者がいうまでにサザンクロス座のあたりを探し終えた沙代ちゃんだった。
🌑25
「このままで充分です」点滅して見える眩い星座を眺めていた。
「沙代ちゃん」べーさんの声がした。「あのさ」「べーさん、大丈夫だった?」バスの前方から後方の沙代ちゃんに声は届く。すると思念に換わり「大人の体の口説き方を一緒にしないか?」と大胆な展開に。「はにゃっ」真っ赤かになった沙代ちゃんは「ダメダメダメ。絶対」ダメと言う。
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