第3話

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「何をしてるの?」沙代ちゃんは思わず聴いてしまった。発育の遅い沙代ちゃんは中学生いや小学生に見えるのだろう?べーさんは「お子ちゃまにはまだまだ早いネタだね」と笑う。ふくれた沙代ちゃんは「私、高校生だから」もうじき18だしと嫌な顔をした。「本当に?」とべーさんは聞く。

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それに自信をもってうなづく沙代ちゃんだった。それなら教えてあげるよ。と「大人の体の口説き方を練習中なんだ」とべーさんは笑った。あまりにもな大人の発言に沙代ちゃんは赤くなってしまった。着痩せしてる制服のブラウスが体を舐めるかの様に感じ「べーさんのえっち」と声をだすので精一杯だった。

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「だから大人の話って言ったじゃん」べーさんは悪びれもなく沙代ちゃんにウィンクした。「最近の高校生と違ってとてもシャイだね」という声を素面で聞けない沙代ちゃんは、常備薬をべーさんからうばった、のんあるで流し込んだ。「あっ」というべーさんは微々たるアルコールに沙代ちゃんが赤ら顔になるのを「あちゃー」と見ていた。

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「一人だけ子供扱いさせないんだから」酔いが回った沙代ちゃんはべーさんの胸の中に倒れ、そのまま眠ってしまった。夢の中で、理子が沙代ちゃんをべーさんから取り返そうと必死の形相に、落ちついた顔のべーさんと一緒に居たいと判った沙代ちゃんは「ヤメテ」と声をあげて飛び起きた。

🌑15

異空間にも突っ込むバスの運転手だけが起きていた。「おはよう」と彼は言った。窓から見えるバスは海辺の浅瀬に浮遊するように自由に走っていた。あまりにも綺麗な空間に沙代ちゃんはワクワクしていた。窓越しに青い天海を見つめうっとりする。飛び魚だろうか?魚も翔んでいた。幸せそうな顔をしてる沙代ちゃんの頬にべーさんはぬるめの珈琲カップをくっ付けた。

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