第49話 テュールとトビー
トビーの体調は日によってまちまちだった。
初めの日の様な
私はテュールの様子にも注意した。
ビッツィーの目的はテュールの
ビッツィーがテュールを
以前にビッツィーは、醸造術を受けても回復はすると云ったが、トビーの様子を見ていると不安になった。彼の体は魔術の影響に耐えかねているのではないか。それに、やはり彼の頭を好きにされていると思うと嫌だった。
しかし私にビッツィーを止める力は無い。
私は
だが、最近の彼はなかなか捉まらなかった。彼は時々、街から消える。そんな時、大抵テュールがやって来て、彼はアルバイトで忙しいのだ、と説明した。
私にも仕事があったから、ずっと彼を見ている訳にもいかなかった。テュールの紹介で、古着屋の店番をしていたのだ。
お店には客の他に、テュールの関係者だと云う大人が訪ねて来て、取り次ぎを頼まれる事があった。要件は最後まで不明だった。
確かにテュールは謎だ。
一体何の為のアパルトマンなのか。トモダチを集めて
「確かに、お金の遣り取りをする事はあるわ。そう云う取引のあるオトモダチとはね」
その上で彼女はこう続けた。
「皆が私を必要とする。私も貰えるお金はちゃんと貰う。大切なのはね、そのサイクルがちゃんと回っている時だけ、私が満足を得られる、という事。ただ貰うだけではパンクしてしまう。そして
だが、
店の事で報告しようと、アパルトマンにあるテュールの部屋へ向かった。その途中でトビーの後ろ姿を見つけた。背中で分かるほど彼は
テュールの部屋だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます