第33話 恋族
建物の二階にあるカフェから、新しい街を観察した。
建築物は四階建て程度までが
道路は広いが自動車は一台も通っていない。代わりに路面電車がたくさん走っていた。
住んでいるのは若い人が多いようだった。
何より驚いたのは、見た事もない人種が居る事である。
動物の耳や尻尾のある人。顔にまで立派な毛並みで覆われている人、完全に動物の頭部をもった者もいた。カルベリイでは見なかった人種である。
「
「こぞく」
「例えば
とビッツィーは云う。
私は物語に登場する獣人を思い浮かべた。が、それは良くない呼び片なのだとビッツィーは云う。
「
「サピエンス」
「最も
私たちの事はサピエンスとして区別しているらしい。フランソワも私もサピエンスだ。ビッツィーは、実際どうだったのだろう。見た目は私達と変わらない。
「まあ、
ビッツィーの云う通り、街を眺めれば圧倒的に
「一時は機械式でもっと栄えていたものよ」
ビッツィーはそう付け加えた。
私達はこの街に滞在する事に決めた。勿論、この街にとって、それは不幸な事なのだけれど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます