第106話

サクサクとマユガカ討伐てぇか、殲滅が進む。

昼前には、森へと入り込んでいたマユガカを全滅させてたよ。


俺の予想を遥かに越えた殲滅力なんですが…はて?


『マスター…

 体に異常はありませんか?


 こちらにてモニタリングしている感じでは、異常を感知できておりませんが、これだけの術を連発すれば少なくとも疲労するハズなのですが…』


いや、別に体に異常は感じないし、疲れてもないんだが…例の精霊因子が影響してんじゃね?


そんなん思ってるとな、思考を読んだべティがな。


『なかば封印状態の精霊因子にて行える規模ではありませんね』って、断言をな。


じゃぁ、なんだっうだよ?


『マスター。

 なにか、心当たりは、ございませんか?

 人外の存在と接触されたこととか…』


人外ねぇ、ゴライゾンと相対したことはあるが…はて?


『霊的存在と接触されたとかは?

 あっ、里の精霊は除いてください』っう要望が。


霊的ねぇ…守護霊だったサイガくらいか?

っても、教皇様にて昇天させられってっしなぁ。


んっ?

そう言えば…


「なぁ、べティ」

『なんでしょう?』

「加護ってさぁ、なにか影響すんの?」って尋ねたらな、呆れられたよ。

なんじぇ?


『加護など、普通は得ることは不可能ですからね。

 そのような存在の影響を受けているならば、今の状態は説明できますが…

 まさか、加護されておられるとか、仰いませんよね?』

困惑気味にね。


加護を得てるかって言われたな、得てるっうしかないわな。

そんなん思ってるとな。


『なんで加護を得てんですかぁっ!?』って仰天された。


いや、なんでって言われてもなぁ…

いつの間にかな。


『自然に加護されるものではありませんからねっ!!』


いやいや、そもそもべティは、俺に加護があるかを知ることはできんの?ったらさ。


『無茶言わないでください!

 私は、もともと麟にて構成されされた存在です。

 長年放置された間に秦を把握できるようにはなりましたが、さすがに神や、その上位を感じることはできませんので』


んっ?

神の上ってあるんだ?


『おそらくですが…

 朧気に感じるていどなので、断言はできません。

 ですが、存在すると思われますね。


 それよりもです、なぜマスターが加護を得ているんです?

 そして、どのような加護なのでしょう?』って問われてもなぁ…


いつの間にか得たとしか言えんぞ。

どのような加護かも分からんからな。


ったらさ。

『じゃぁ、なぜ加護を得ているといえるんです』って、追求が。


だからな。

教皇様から聞いたんだわ。

俺に複数の加護があるってさ。


そう応えたんだが…

『ふ、複数ぅ?

 ……… ……… ………』

あっ、フリーズした。

大丈夫かいな?


『あり得ないでしょっ、そんなことぉっ!』

お、い具合に壊れた?


『なんですか、その良い具合に壊れるって…』

実体があったらジト目案件だったかな?

気を付けよう。


『ふぅ、もう良いです。

 その複数の加護内容は分からないんですね?』

まぁな、俺が知らん内に付いてたかんなぁ~


『知らない内って…

 なんで加護を受けたのかも分からないんですか?』っからな。


それは分かるぞ、って応えた訳よ。

したらな。


『知らない内に加護を受けたのに、なんで加護を受けた理由を知ってんですかぁっ!』って責められました。


ってもなぁ…


守護霊がな、知らん内に聖遺物を解放しててなぁ。

その解放時に加護を受けたらしいんだわ。


まぁ、守護霊は教皇様によって成仏してっから、最早詳しい内容は分からんがな。


『いやいや、ちょっと待って。

 なんで守護霊が勝手に聖遺物を解放してんですか?

 っか、教皇が守護霊を成仏させるって…意味が分かりません!』


うん、ディサピィル・インターフェースなのにパニックって…

つくづく人間臭いヤツだなぁ。


まぁ、俺が隣国の出で徴兵されてからのことを語るとな、ようやく理解してくれたよ。


まぁなぁ、敵国の戦死兵へ成り代わり、名前を騙って、この国へ密入国したかんなぁ。

その騙った名にて、名と身分を奪った兵の霊を、名で縛ってさ、強制的に守護霊にしてたとは…


そのことを知った時には驚いたし、名を奪った相手が守護霊として、俺を守護してるって…仰天したわさ。


まぁ、確かに兵達の墓を作ったし弔いはした。

それで名を奪った相手を守護するか?

普通は呪うだろうさ。


まぁ、呪われなくて助かった訳だが…サイガってさぁ、お人好しが過ぎるだろうよ。


まぁ、無事に成仏したようだから、良かったが…そう言えば、今の俺には守護霊が居ないってことか?


大丈夫なのか、これ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る