第107話
守護霊うんぬんは、現段階では分からんからさ、後で教皇様に尋ねるとしてだ。
取り敢えずは昼食だな。
サマンサさんから受け取ったバスケットを、亜空間倉庫の指輪より取り出す。
バスケットの中には様々なサンドイッチがな。
こら美味そうだ。
っか、美味かったがな。
食事を終えた後、珈琲ブレイクってね。
やはりバスケットと同じく亜空間倉庫より、珈琲が入ったポットを取り出す。
そしてカップへと。
うむ、良い薫りだ。
やはりフォリゾン・エルフが植物より創り出す珈琲豆は、ひと味も、ふた味も違うなぁ~
実に良い豆だわ、これ。
ひとしりき珈琲を堪能した後、ディサピィル・トーカーの鎧を纏う。
さすがに繁殖地へ生身にて向かう気にはな。
一応、ロンダルトさんとの話で半日以内での使用と決めたが…その期間にて、どれだけのマユガカを間引けるかだな。
鎧を纏った後は気配を消し認識遮断を。
以前の認識阻害よりも、さらに強力にな。
そのため相手を殴り付けたりしても気付かれなくなったんだぜ。
まぁ、解除できなくなったらな、誰にも気付かれないボッチになるんだが…
まぁ、大丈夫だろう、うん。
さて、準備も整ったことだし、行きますかね。
俺は軽く跳び上がり樹上へと。
麟を練ることが可能となったためか、身体能力がさらにあがってんよ。
足裏へ麟の膜を張ることで、接地面が吸着し、さらに安定した走りが可能となっている。
そのため、移動速度が爆上がりってな。
アッというまに、マユガカの繁殖地へと。
俺に気付くマユガカは居ない。
っか、今の俺に気付ける者など存在しないのだが…
まずは新たなる忍術の修得を。
まずは土遁の術からだな。
軽く地へ干渉して陣地をば。
っても、地中に空間を造り、そこにて試すことにしたよ。
地上でポコポコ土壁など造れば、さすがにマユガカが気付くだろうかんな。
群がられるのは、ごめんです。
空気穴を確保した地下空間を造り終えると、確保した入り口より中へ。
地下空間の天井や壁を硬化させ、容易く崩れないようにしつつ空間拡張を。
ある程度の空間を確保したら、土壁を造り出し仕切る。
こら土木工事にピッタリな術だな。
森とは違い、木の根が邪魔しないため作業が捗るよ。
空間作成に一段落ついたので、次の鍛練へと。
土礫を放つ術に、砂を操る術などなど、様々な土遁の術をな。
地面から土槍が飛び出し貫いてきたらさ、咄嗟には避けれない。
さらに地割れに飲み込ませたり、足場を流砂にして飲み込ませたりもな。
単純に穴を空けて落下させるのも良いだろう。
砂を操り、敵へと纏わせ圧縮すれば助かるまいて。
いやいや、土遁の術って、意外とレパートリーが多いし、えげつない術が多いな。
その点、雷遁の術は単純だ。
制御が多少難しいのだが、目標を決めて放つだけ。
だが、シンプルだからこそ一撃が強力でな、直撃すれば大抵の敵は容易く倒れるだろうさ。
こちらはな、べティに言われて威力を落とす修練をな。
敵を麻痺させて捕縛するには良い術なんだとさ。
だが…この威力を落とすのがな、なかなかに難しい。
俺が練る麟の濃度と質が高過ぎてな、微弱な静電気ていどと俺が放つと、高圧電流並みに…
うん、軽く死ねるね。
まぁ、なんとか気絶で収まるレベルにはな。
ここから先は後回し。
さて、マユガカを間引くかね。
っと思ったらさ。
『マスター。
先に卵を確保することを、お薦めします』って、べティがな。
間違って卵まで壊滅させる可能性があるって…失敬な。
っても、電撃にて駆除予定だから、事故が起こる可能性もな。
地下空間から出て…
うや、マユガカが入り込んでんな。
『あれだけ騒音を出せば、さすがに気付かれますよ』って、呆れられたよ。
まぁ、サクッと倒した後で、別の出口を造り出し外へと。
離れた場所へと出ると、地下空間入り口を中心に、マユガカが群がってらっしゃる。
いやぁ~人気スポットなんだね。
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