第104話
食事を終えた俺は、マユガカ討伐へ向かうことにな。
屋敷から出て、まずはマユガカの動向を探ることに。
これも万華眼を修得できたから、ここから行えるんだがな。
万華眼、それは眼球の経絡を介し網膜などの目としての機能を麟にて光ではなく、魔那…いや、麟をとらえる術となる。
実は麟は魔那の別名、いや、不純物が除去されたより純粋な魔那らしい。
らしいてぇのは、小難しいことが理解できないから、俺なりの解釈で理解したかんな、まっ、そういうことだ。
万物は素粒子から成り、素粒子は魔那にて成り立つが、その魔那も燐にて成り立ち、さらに麟、秦、神へとな。
それらがブロックのように組合わさり、神から秦、秦から麟という風に構成されるらしい。
つまりは全て麟にて構成されているとも言える訳でな、焦点を見たい物へ合わせれば、障害物を透過しつつ遠方を見ることも可能になる訳だ。
どうだ、分かったか?
本当に?
そら、凄い。
俺はべティの受け売りだかんな、正直わけが分からん。
理解できんことを理解したよ、うん。
まぁ、七面倒なこたぁ良いんだよ。
使えりゃぁそれでな。
で、なっ。
マユガカなんだが、繁殖地近くから離れてないみたいなんだ。
っかな、明らかに数が減ってる感じだな。
どうやら、あの後も共食いが発生したのか、死体も残ってないし、幼虫の数も減ってる。
っても、まだまだ多いし、繁殖も盛んだから、放っておいたらスタンピート間違いなしだがな。
そして森だが…
マユガカが繁殖地へと後退したためか、どこかへ逃げていた動物やモンスターが戻って来ている。
っかさ、一部のモンスターがウジャウジャと増えてんだが…気持ち悪い。
っても、底辺に近い弱小種ゆえの繁殖力だろうから、増えたさきから他のモンスター達に捕食されてるがな。
草食の動物やモンスターは、生い茂った植物を堪能しているようだ。
なにせユガカは肉食だからな、植物は食わないし、植物を食む生き物は逃げるかマユガカに捕食されたため、食む物が居ないから繁る訳だ、うん。
そんな状態の森へと流れてきた草食動物達や草食モンスターにとっては、まさにパラダイスといえよう。
まぁ、肉食獣や肉食モンスターにマユガカの餌になる訳だが…
うん、森の状態は把握した。
まずは繁殖地での間引きと卵の採取だな。
里にてマユガカね繁殖を制御できるならば、森のマユガカは駆逐した方が良いだろう。
まぁ、里にてマユガカの飼育が成功するのが前提となるが。
今回の間引きと卵の採取が終われば、1度引き揚げねばなるまい。
なにせ[イドラの蛇]を探るか、殲滅を行わねばならないのでな。
ってもな、おそらく本体は殲滅すみだ。
先日、俺が倒した賊が[イドラの蛇]本体だと、俺は思っている。
盗賊アジトにて手に入れたコアと起動用法具。
そして[イドラの蛇]が立て籠っている場所が、遺跡として記された地図。
これらから、依頼された[イドラの蛇]が本体ではなく、遺跡探査に向かわされた別動隊だと、俺は考えた訳だ。
そして探索は難航しているのか、未だに遺跡から撤退していない。
ならば、依頼を熟しつつ、お宝を掻っ攫うのも一興だろう。
そうなるとだ、依頼期限もだが、お宝が失われる前に、[イドラの蛇]が占拠している遺跡へと向かいたいところ。
なれば、マユガカの飼育が成功するまで留まるのは、ナンセンスと言えるであろうよ。
なのでな、森へ向かう前にロンダルトさんとな、ちと交渉をば。
「ロンダルトさん」
「んっ?
なんだい?」
俺に続いて屋敷より出てきたロンダルトさんが、軽く
「マユガカが、だいぶん減っているようなので、今回間引いたら卵も採取してきます。
それでマユガカの飼育を試していただいてる間に、1度戻らせていただきたいのです。
こちらの依頼を受ける前に受けた仕事がありましてね。
その仕事は、世界的なテロ集団である[イドラの蛇]を探る、または殲滅なのですわ。
さすがに、あちらの仕事も放置できないので…」
「言い分は分かるが…マユガカはスタンピートしないのかね?」
ロンダルトさんが、不安そうに。
「今回の間引きにて、遅らせることは可能でしょう。
だが、殲滅させないと、いずれはスタンピートが発生するでしょうね。
マユガカの飼育が軌道に乗るまでの間は、万が一を考え殲滅を見送りますが、飼育に成功しだい殲滅した方が良いでしょう」
ロンダルトさんは、しばし考えてから頷き告げる。
「確かに、それが良かろう。
ただ、この度の間引きにて、君が戻るまでスタンピートが発生しないようにして欲しい。
可能かね?」って、確認がね。
「正直、俺には分かりかねるのですが…べティが言うには、今回の間引きにて半年はスタンピートが起こらないらしいですわ。
まぁ、森で攻撃用忍術を取得するのが前提らしいですが、まっ、なんとかなるでしょ」
べティが、なにやら計算方法やら、なにやらを説明してくれたのだが…正直、頭が痛くなるだけだったわい!
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