第52話

その後は4人で町へと。

門番達が殺気立ってるんだが…なんかあったのか?


「おい」

「ああ」

「ランラちゃんとトトちゃんにまで、手を出したか…

 外道だな」

なんて言葉が…


「そこぉっ!

 ランラとトトは、ユンファの友人じゃあっ!

 嫁の友人へ手を出すほど、落ちぶれとらんわっ!」ったらな。


「なっ!

 ユンファちゃんを嫁と、のたまうかぁ!」

「その妄言、許さん!」


なんか…悪化した。


「いゃ~ん、ダーリンたら。

 こんな所で嫁と宣言しないでよね。

 恥ずかしいでしょ。

 でも…今日からサイガのお嫁さんなのよねぇ~」


にやけ顔でルンルンですが…

うん、何気に門番達へ止めを刺しとります。

立ち直れるかなぁ~アイツら。


そんな門を潜り町へと。

んっ?門番達?…放置で。


しかし、3人寄れば姦しいとは言うものの、ユンファの結婚と言う燃料があるから、さらにな。


夕飯時にキングパフェやタワーパフェは、如何なものかと話し回避。

それでは祝いの席として、小洒落た居酒屋でもとなってな。

ランラ先導にて向かっとります。


最初はトトが案内を言って来たんだがな、ランラの財政が危機を迎えそうだったので、話を誘導。

ランラが慌てて女性に人気な居酒屋を提案ってな。


まぁ、トト候補の店よりは、遥かにお財布へのダメージが少ないだろう。


俺としては、もっと安い大衆酒場でも良かったのだが、祝い席でもあり、ランラの矜持的にも妥協できなかったようだ。

難儀な性格だな、をいっ!


しかし、小洒落たっと言っていたが…十分オシャレな店なんだが?

カップルか女性客のみしか居ませんね。


男性客は居心地が悪そうだ。

こういう時は、開き直るのが一番さね。

または空気になるか、だな。


俺?

むろん、不自然にならん程度に気配消しとりますよ、はい。


料理は美味かった。

美味かったっうよりも、洒落とったな。

綺麗に盛られており、美しい皿っう感じか?


分からんこともないが…

俺的には、もっと気楽にガッツリ食いたい、っと、そんなん言いたくなりました。


まぁ男性と女性の違いてぇより、育ちの違いだな。

もしくは国の違いか…


この国の者達は、いかに自分達が恵まれているのか、気付いてない。

すぐ隣の国が酷い有り様なのは知っているが、対岸の火事にて実感できないのだろう。


そのクソな国からの亡命っうか、逃亡者の俺からしたら、贅沢三昧を尽くしているようにな。


まぁ、あちらが常識よりも、この国が常識である方が良いに決まっているがな。


楽しい(特に女性陣)夕食が終わり店をでる。

然り気無く、俺が支払っておいたら、ランラに感謝された。


っか、おま、下手したら報酬貰えるまで、水食だったって…なにそれ?


まず、女子寮は3食付きですよね?

→最近、自立を目指して寮をでました。

 アパート独り暮らしです。


そもそも、結構な高給取りだったと記憶してますが?

→欲しかったブランドのマジックバックが出てたんです!

 稀少品で、逃したら2度と手に入らない品だったんですぅ!


それで持ち金が厳しくなったと?

→そうです。


そんなマジックバックを、いつ買ったの?

→町の祭りでオークションしてました。

 ユンファもマジックポーチ買ってました。


最後に水食とは?

→お水と言う食事です。


水は食い物じゃねぇっ!

飲みもんじゃっ!


まだ多少の生活費は残っており、当座は凌げるらしい。

ただ、この店にて代金を支払うと、相当厳しくなっていた模様。


それなりに、お高かったかんなぁ、ここ。


野営地派遣で食事が支給されいたから助かったのだが、部隊解散にて宛が外れたらしいな。


コイツ…阿呆?

無計画にも、ほどがあんだろーよっ!

コイツが嫁でなくて良かったわっ!


どうりで、タワーパフェをトトと割り勘っと聞き、真っ青になる訳だ。


っか…

「ユンファは、大丈夫なのか」

ちと、不安になってな。


「私、そんな考えなしじゃないよ」っとな。

「それじゃ私が考えなしみたいじゃないのっ!」ってランラが怒るが…


「今の状況で、それを言うのか?」ったら轟沈した。


困った娘さんだ、はぁっ。



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