第50話

全て解決と言うことで、お暇しましょうかねぇ。


「結婚したばかりですので、私とユンファは、この辺りで」ってから席を立つ。


したらな。

「ふむ、今日の所はよかろう。

 明日からフォリゾン・エルフの所へ行って貰うでな」っと先王様がな。


「ほぅ、ダリルはフォリゾン・エルフの元へ行くのかや。

 それは、好都合。

 我らもフォリゾン・エルフの元へ行くのじゃ。

 案内と護衛を頼めるかや」ってね。


おいおい、勝手に話が進んでるんですが!


「取り敢えず、約束通りユンファと夫婦になれたであろ?

 報酬の前払いは済んだと言う訳じゃてのぅ、婿殿」


そう先王様が逃げ道を塞ぐ。

チッ、受けざるを得んか。


「サイガ?」ってユンファにっこり。

だからな。

「卵の件だよ」って、微笑んであげる。


「なぁ~んだ、卵さん取ってくるお話しね」

そう告げ、安心したようにな。


「おい、サイガ?」って先王様がね。


だから「シィッ!」って黙って貰ったよ。

無駄に心配させる必要はないからな。


その後は教会を2人で出て帰ることに。

そうそう、ユンファの仕事については、急遽休みとなったそうな。

結婚時の特別休暇だとさ。


時刻は昼前となっており、食事を摂るには良い時間帯になっているな。


教会近くと言うことで、ユンファの案内でレストランへと。

ちと高めのランチが楽しめる店で、庶民が少し贅沢をするような場所だな。


結婚したばかりだ、その祝いには都合が良かろう。


プチコースのランチは、昼と考えると非常に贅沢な料理だったよ。

味も間違いなく美味い。


なのにリーズナブルときた。

大満足な、ひと時だったわい。


食事を終えたが、帰るには早すぎる時間帯だ。

だが、辻馬車移動すると、時間が制限され何もできそうにない。

だからな。


「ねぇ、サイガ。

 本当に、これで行くの?」っとユンファが困ったようにな。


「ああ、これが一番速いからな」ってユンファを抱き上げた侭で告げる。


女の子、皆大好きお姫さま抱っこ(偏見)にて、移動をな。

ユンファ?

顔真っ赤で大人しいですよ。


ユンファが余韻に浸ってる間に移動を。

気配を消し、全速移動です。


数分で門外へと。

目指すは、そう、モンスター牧場です。


ユンファにとっては、アッと言う間の移動だろうな。

まだ真っ赤で呆けてますから。


うふふ、あははっと自分の世界ですね。

だが着いたので、そろそろ覚醒していただきたいところ。

しかたがないため、強行しますです、はい。


ユンファの唇を奪います。

非常に美味しいのであります。

ユンファも夢中になっとりますです。


だから終わると覚醒しとるのです。

っうことで、ユンファが復活したから、気配を戻す。


覚醒したユンファは、辺りをキョトキョトと見渡し…

「ここって…どこ?」ってね。


だからさ、「町外のモンスター牧場だよ」って、優しく告げる。


「へぇ~

 ここがモンスター牧場なんだぁ~

 一度来たかったんだぁ、ここ」って、ユンファご機嫌ってな。


テイマーの使役モンスターを預かる牧場なのだが、テイマーが死んでノラとなったモンスターの保護も行っている。


っと言っても、牧場で預かっていた時にテイマーが亡くなった場合に限りだがな。


なにせ戦闘中などでテイマーが死ぬと、モンスターが制御を離れ暴走するからな。

捕らえることなど不可能に近いんだわ。


そしてな、大半は冊の外から眺めるだけだが、主人を失ったモンスターの内で気性の穏やかなモンスターと触れ合うこともな。


ユンファは、うさぎ型モンスターとモモンガ型モンスターと触れ合えご満悦です。


しかし、この触れ合い広場っと言うのは良いな。

実に癒される。


実は実力がないテイマーが弱いモンスターを練習でテイムすることは良くあることらしい。


普通はテイム後に解放するんだが、リリース能力が欠落したテイマーが、たまにいるらしいんだわ。


そんなテイマーの窮地を救うため、無料でモンスターを引き取る制度もあるそうな。


ちなみにリリース能力があるのに偽る悪質テイマーは、呪術師のギアスにてテイマー能力を封じられるため注意が必要だ。

国の機関に舐めた真似する方が悪い、自業自得だな。


でぇ、そんな感じで増えた小型モンスターと触れ合う広場を有料で解放、運営資金獲得という窮余の一策だったのだが…これが大当たり!


アニマルセラピー的効果が絶大でな観光の人気スポットへと。

さらには、病人などや独り暮らしのお年寄り癒しとして、有料貸し出しも。


なにせテイムされているから、一般の動物よりも大人しいし、モンスターだから頑丈だ。

まぁ、貸出し先へ1日に一度は職員が、様子を見に出向くそうだがな。





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