第30話
人が大丈夫だと言っているのに、言うことを聞かず聖術師を呼びやがんの。
むさい野郎なんかに触れて欲しくねぇんだが?って思ったら、
ただし、ユンファの同僚で、あいつの幼馴染みのね。
「サイガ…アンタさぁ、なにしてんの?
あれだけユンファに心配掛けておいて、その
い、いや…チクらん…よ、な?
「ラルテのキングパフェで、手を打つわよ」って、ウインク。
「いや、なにを?」
「鈍いわねぇ、わざと?
ユンファに知られたくないんでしょ?
口止め料よ」ってか?
「アホかぁぁっ!
ラルテで奢ってっとこユンファに知られたら、それこそ殺されるわっ!」ったらな。
「大丈夫よ、ユンファも連れてくから。
ユンファもラルテのキングパフェを食べたがってたからね、ちょうど良いわ。
アンタが失踪してた間、色々とユンファの相談にのってたからね。
その見返りにユンファが奢ってくれることになってたのよ。
っても、ラルテのワッフルだけどさ」
いや…ワッフルとキングパフェでは数倍のほど値段が上がるんですが?
「アンタのせいでユンファが錯乱したんだから、アンタが奢るのが当然よね?
口止め料を含めると、妥当だと思うわ。
ああ、トトにもよ」
なんか…増えとるんですが?
「錯乱したユンファを宥めるために、町へ呼ばれたのよ。
馬車だったら3日掛かるじゃない。
だからテイマーのあの子に送って貰ったって訳。
なんか、良いように言いくるめられてるような?
「あれって…町の祭りへ行くのに、休暇取ってなかったか?」
「そうそう。
「待機、待機で動けないんだからっ!
祭りの間だけでも、休ませなさいよっ!」って部隊長に食い付いてたよな」
「ああ。
部隊長が、
「待機も仕事だ」ってたが…最後に負けて許可したんだったけか?」
「そこっ!
うっさいわよっ!」
「いやいや、おまえなぁ~
ユンファを宥めに帰ったんちゃうんかっ!
っか、ユンファ宥める理由で休暇など認めらかっ!
軍、舐めとるだろっ!?」
まぁ、教会からの派遣であるコイツは、明確には軍所属ではないがな。
だから部隊長も、強く言えなかったんだろうさ。
それに待機で動けないのも本当だしなぁ。
「結果としてユンファをフォローしたのは間違いないわよっ!
結果が全てだから良いのよっ!」っうことを申しております。
まぁ、ユンファに知られたくない弱味を握られてるのには、間違いない。
それにな、ユンファとコヤツの2人へ奢るより3人へ奢るほうが、変な勘繰りを避けられる筈。
おそらくは、そこら辺も計算してのことだろう。
計算高い小悪魔的な存在として、実は結構人気があったりする。
ちなみにトトはオットリ系の癒しさん。
ほんわか雰囲気が癒しとして親しまれていたりする。
そんなトトにコイツとユンファの3人とラルテで喫茶?
野郎達からの殺気が…
「おい…」
「ああ、ユンファちゃんのみならず、ランラちゃんとトトちゃんにまで毒牙に掛けるつもりだぞ」
「許せんな」
「あぁ、許せん」
「殺るか?」
などと外野が…
っか、毒牙など掛けるかぁっ!
ユンファ一筋じゃわいっ!
っか、ユンファ1人で一杯一杯だかんねっ!
アイツの聖術を使った無限体力を舐めるなよっ!って…ん?
「わーたっ、わーたぁ。
降参だ。
ラルテだな」
あそこって、女性客だらけだから入り難いんだけどなあ。
「分かれば良いのよ、分かれば。
しかし…外見は酷いけど、怪我ひとつないって…どういうことよ?」
まぁ、分かるヤツには分かるよな。
ホワイトスライムが優秀なんです、はい。
「そこらへんは、個人情報にて黙秘だな」
「………
口を割りそうにないわね。
しかたないわねっ!
清浄だけ掛けてあげるわ」ってランラが聖術を。
清らかな光がキラキラと俺へと降り注ぎ、血糊などを含む汚れを溶かすように浄化する。
風呂上がりのごとく、身を浄められました。
するとな。
血糊で接着されていた箇所が剥離し、さらにボロボロの衣服へと。
いや、違うか。
既にボロボロだった本来の姿に戻ったともな。
この衣服は、もうダメだな。
しかたないから、着替える場所を借りて着替えたよ。
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