第24話
ユンファを送り出した後、俺は家を出て町の外へと。
朝食はユンファが作ってくれたのを食べたよ、うん、旨かった。
流石に、朝からユンファを頂かなかったがな…げふん、げふん。
弁当まで作って貰ったし、昼が楽しみだ。
いや、ピクニックに行く訳では、ないんだけどな、ま、良いじゃん。
門から出て西へ。
森は東側、西は草原であり、草原に土色の道が伸びている。
西へ最短移動を考えるとな、道沿いに進むのが最良だろう。
森を迂回するような遠回りな道ではないからな。
途中の小高い丘や岩山は迂回しているから、その場合で丘のように通れるならば、ショートカットだな。
道は馬車移動を基準に造られているから、徒歩の俺には関係ない。
まぁ、徒歩っても、走ってっがな。
斥候喰らいの穴を踏跛したのが原因なのか、それ以外の要因があるのかは知らんが、異様に体力が増してな。
しかも走る速度も上がっているんだ。
街道を走る馬車を追い抜く度に、御者が仰天してんな。
面倒だから気配を消しての移動に切り替える。
町から見えない範囲だから、消えたなどと騒がれんだろさ。
さて、本気で走るかな。
ちなみに腕力などの膂力は上がってない。
重い物は持ち上げられんし、攻撃力も上がってない。
だが体力は異様に上がってな、ユンファに負けてたのに、一昨日と昨日の夜は勝ったかんな。
馬並みの体力ってか?デカくはないがな、んっ?
丘てぇか小山を駆け上がり、そして駆け下る。
岩山地帯にて、岩山を瞬時に足場を定め跳び上がりつつ越える。
っか、隣接する岩山へは跳び移り移動。
目的地は地図を確認しなくても、方向が分かるので迷わない。
まぁ、たまに地図で確認するがな。
変な能力に目覚めてるみたいだわ。
んだろな、これ?
地図では3日掛かるとなっている位置に、2時間で到着してんだが?
町から5日の距離だから、半分を超えたな。
その後も順調に進み…現在、領軍野営地にて弁当食べてます。
彼女手作り弁当が羨ましいのか、親の敵の如く睨むのは、止めてください。
非常に弁当が美味いです。
「あまり、うちの者を刺激せんでくれ。
しかし…サイガへ弁当を作るとしたら、ユンファか?」
ちょっ!火に油ぁっ!
わざと?
「ああ、そうだぞ。
ユンファの弁当は美味いかんよぉ。
料理上手だからな。
作る料理は美味いし、ユンファも美味い!」ったらな、意味を理解した輩で血涙を流すヤツも。
脳筋が多いため、理解できないのが大半だがなっ!
領軍にはユンファの聖術に助けられた者も多く、聖女様あつかいだかんな。
アイドル以上のファンてぇか信者がな。
そんなユンファの彼氏ともなれば、呪殺せんばかりに睨んでくる訳で…飯が美味い!
「ホント、良い性格だな、おまえ。
しかし、サイガが斥候を受けたか…これで情報を得られるな」
領軍討伐隊の隊長が、ホッとしたように。
「いやいや、成功するか保証はないかんな。
無理と判断したら撤退すんぞ。
まぁ、数を減らせるなら減らしとくわ」ってから弁当箱を仕舞う。
飯も食ったし、飯ウマだったしな。
行きますかね。
呪い殺さんばかりの野郎達の視線と、女兵士の熱い視線に見送られて、領軍野営地を後にする。
しかし…フリーランサーで名が売れている者は成功者であり、高給取りでもある。
モノにできれば安泰っと考える女兵士達がな。
獲物を狙うが如しってか。
色々と危ないから近付きません。
特にユンファとか、ユンファとか、ユンファとか…
知られたら…ブルッ!
野営地を出て気配を消す。
俺が消えたと騒いでいるが、放置で。
これから仕事なので、気を散らさせんで欲しいものだ。
速やかに移動し、野営地から半日離れた賊のアジトへと。
数分で着きましたが、なにか?
入り口には、賊の見張りが。
鍛えられているのか、油断なく辺りを警戒している。
だが緊張はしておらず、適度なリラックス状態で。
緊張状態にて警戒を続けると疲労が溜まり長続きしない。
そのため、肩の力を抜き、適度にリラックスしつつ見張るのが正解だ。
それが下っ端にて行えてるのだから、手強いぞ、こやつら。
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