第70話 隣りの島国事情

「美味いな・・・。」ポール


「これって・・・」俺

(緑茶?)


「これは私の国のお茶だよ!中々美味いだろう?」ライオネル


「はい!美味しいです」俺

(懐かしい・・・。)

(そうなのか!お主の世界にもこれと同じお茶がの・・・)ポール

(ははは・・・爺ちゃんは俺の記憶も分かるようになったんだね)俺

(すまん。勝手にレインの記憶を見てしまったみたいじゃ)ポール

(いいよ!全て見てくれて)俺

(レイン!そんなにワシを信用して・・・愛して・・・)ポール

と爺ちゃんの思いは長くなりすぎるから、省略と・・・。


「それで私がなぜここに移住しているかと言う事ですよね」ライオネル


なんと、ライオネル叔父さんは国王の子供で、第二王子様らしい。

第一王子が国王になる予定らしいが、継承権争いでゴタゴタしそうだったから、

いち早く放棄して、国外に移るという行動で示した形らしい。

奥さんと子供達は国に残っているが、王都とは離れた所に住んでいるという。

身内でこんなことになるなんて面倒だな・・・。

家の子供達はこういう風になってほしくないな・・・。

それに、国政も芳しくないのだという。

もともと他国との交易もあまりない国だったらしいのだが、

母が死んでからこの国とも殆ど交易がなくなり、

どんどん貧困が進んでいるのだとか。


「王は交易には否定的なのですか?」俺


「そうだな・・・。

一度ひどい目にあってな。それ以来外国を信用しないのだよ」ライオネル


違う大陸との交易の時に、

大きな損害がでたとともに、国を乗っ取られそうになったことがあり、

その時の重鎮たちが他国との交易を是としないのだそうだ。

まるで昔の日本だな鎖国状態・・・。

醤油とかみそとかあるのかな・・・。


「行ってみたいか?」ライオネル


「え?それは行ってみたいですよ」俺


「じゃ、大陸の仕事が大丈夫なら行ってみるか?」ライオネル


「へ?大丈夫なの?」俺


「もちろんだろう!お前は国王の孫だぞ!」ライオネル


「そうか!母さんの父さんだもんね」俺


「ワシが爺ちゃんだ!奴のじゃない」ポール


「ははは!爺ちゃんは爺ちゃんだけどあっちも爺ちゃんだよ」俺


「む・・・」ポール

あ!すねた!珍しい・・・貴重だなw

(なんで笑っているのだ!!ふん・・・。)ポール

(ははは!分かってるだろう!)俺

(フン)ポール

(一緒に行ってくれるだろう)俺

(あたりまえじゃ!フン!)ポール

(好きだよ爺ちゃん)俺

(知っとる!)ポール

ははは・・・!


母の故郷、ファフニカ国。

王都、西の港町から船がでているらしい。

俺は自分の国に、ファフニカ国に向かう事を伝えたりして、

旅の準備をすることになった。

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