第69話 再度旅へ・・・帰郷

俺と爺ちゃんは再度大陸中を旅しながら、

悪魔や魔族の影響を確認することになった。

結界の効果や、勇者の確認なども併せて行っていく予定だ。


「ソフィア済まないね出産前に。」俺


「あなた様。大丈夫ですこれでもあなた様の妻です。

待つときは待ちます。いつまでも・・・。毎晩思っております」ソフィア


「うん。ありがとう。子供の事頼むぞ」俺


「はい。もちろんです。命に変えても産み、そして守ってみせますわ」ソフィア


俺達はまた時計回りに大陸の移動を始める予定でいる。


キャンキャン!!

「ん?クロも一緒に行きたいのか?シロいいか?」俺

キャン!!

「良いみたいだな!じゃここにオイデ!」俺

キャン!!俺のフードに入れておく。

「じゃシロ、マル、皆をよろしくな~!」俺

キャンキャン!!ク~ン!


最初の目的地は俺達の生まれ故郷、フォースター領だ・・・。

俺はそこで初めて両親と婆さんの墓参りをすることになった。


「すまんなレイン。

早く連れてこなければならなかったんじゃがの・・・」ポール


「うん。

心がわかったから言わなくていいよ。決心してくれてありがとう」俺


「レイン・・・」ポール


爺ちゃんは婆ちゃんの事を強く思い出すのが怖いようだった!

俺の手を握ってきて少し震えているようだった。


(大丈夫さ爺ちゃん・・・さあ行こう。)俺

そう心に直接伝えた。


沢山の花束を俺と爺ちゃんは抱えて墓前に向かった。

・・・しかし、そこにはすでに沢山の花が添えられていた!


「これは!」俺


「誰かがというか、

皆がそれぞれに手入れや花を添えてくれているのか・・・」ポール


「そうみたいだね!」俺


「うう・・・」ポール


父さん。母さん。そして婆ちゃん。

己を犠牲にし、俺達の、この幸せな時間を作ってくれてありがとう。

精一杯、この瞬間瞬間の幸せ、

奇跡的なこの瞬間をかみしめて生きて行きます。


墓前で長い時間、感謝の祈りをしていた・・・


爺ちゃんは涙し、震えている・・・。

俺はそっと抱きしめ、気持ちを共有してあげるのだった。


「ポール様・・・?」男


「ん?どちら様ですか?」俺


「ん・・・おお!ライオネルか!久しいの・・・。」ポール


「はい。私も隠居の身・・・毎日ここに来させていただいてますよ」ライオネル


「しかし、国は?それにこの墓の様子はお前がしているというのか・・・」ポール


「いいえ。私だけではないですよ!

街の皆が毎日誰かしらここに来ては掃除したり、花を添えたり、

感謝をここに伝えに来ているようです」ライオネル


凄い!こんなに・・・

ここまで街の人々に愛される故人はそうそう居ないのではないだろうか・・・

俺まで、心が張り裂けそうな気持でいっぱいになった!

爺ちゃんは真っ赤な顔になって涙腺崩壊状態・・・

釣られてライオネルのオジサンも涙でグチャグチャになっている。

ガシッと爺ちゃんと抱き合ってる姿は、なんだかとても絵になった。

てか、このオジサンは?


「ヒック・・・ヒック・・・すまんなレイン。コヤツはお前の叔父じゃ」ポール


「レイン?レインか!こんなに立派に!!ワシはお前の母さんの弟だよ」ライオネル


「叔父さん!?レインです。初めまして」俺


「ワシはずっと隣りの島国に居てね、

隠居を期に昨年ここに移ってきて暮らし始めたんだ」ライオネル


「そうじゃったのか!ビックリしすぎたわ!!」ポール


「ははは・・・。

まさかレインに合えるとは・・・。

国の主になったのだろう?

こんな所に居てはいけないのではないのか!!」ライオネル


「大丈夫です。それに俺達は大陸の調査の任務もあるので!」俺


「そうなのか!大変だな・・・。

それよりも、良ければ家にこないか?お茶でも」ライオネル


「ああそうしよう。そっちの話も聞きたい」ポール

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る