第64話 隠居とソフィア
俺と爺ちゃんは、旅の疲れもあり、しばらくノンビリ過ごすつもりでいた。
帝都の南東の端、港町のバーンに来ている。
海産物を食べたかったのと、海でノンビリしたかったのもあった。
二人で丸裸で海にプカプカ浮いている・・・。
(爺ちゃん気持ちいいね~)俺
(ああ最高じゃ~)ポール
(このまま隠居したいね~)俺
(わしは隠居じゃ~)ポール
(ズルいぞ~)俺
(長く生きた特権じゃ~)ポール
(俺も同じくらい生きてるようなもんだけどよ~)俺
(こっちの世界ではたったの16年じゃ~わしは56年じゃ~)ポール
(ずるいな~)俺
(早く子供作って、隠居せい~)ポール
「そうか!!それだな!!嫁探そう!!」俺
「なに!?もうか?わしと一緒に寝てくれんようになってしまうじゃないか!」ポール
(う・・・。寝る時は、爺ちゃんの所じゃないと寝れないかもしれない・・・)俺
(それは嬉しいが嫁さんに悪いの・・・)ポール
(確かに・・・。)俺
プカプカ・・・めんどくせ~このままプカプカして~怠惰を貪りたい・・・
俺達は十分に休暇を取ったはずなのに、
サザエさん症候群になりながら、城に戻った。
城では沢山のお見合いの話が持ち上がっていた・・・。
これまたナウな話ですね~!!
一気にテンション高めに!!何とも簡単な性格してるよ!俺。
毎日沢山の女性とお見合いしているのだが、
その中で、光る人物を見つけてしまった!!!
これは!俺の呪いは解けたのかもしれない!
キラン!
「初めまして、エリザード三世の娘ソフィアと申します。」ソフィア
うわ!綺麗・・・。金髪ロン毛。黄緑の瞳。溢れんばかりの胸・・・。
「超タイプです」俺
直ぐホレてしまった!
さっそく一緒にデートしている。城内だけど・・・。
「ソフィアさん、城内で悪いね!」俺
「いえ、レイン様と一緒で有ればどこでも幸せです」ソフィア
「ワシもじゃ」ポール
「爺ちゃん?どうしてついてくるのかな?」俺
「だって気になるじゃろうが!」ポール
「レイン様お爺様、私は構いません。
お二人とも私のすてきな紳士様ですから」ソフィア
「なんと!良い子じゃの!
他のエルフの様に急に切れたりせんようだしの!!」ポール
「すみません。
恥ずかしい限りです・・・。
私はあまり感情の起伏がないようでして・・・。」ソフィア
「ソフィアさん、ごめんね!ずけずけとこんな事いってしまって!」俺
「いえ、それよりも、レイン様ソフィアとお呼びくださいませ・・・」ソフィア
「いやしかし・・・。」俺
「そうじゃぞ!なソフィア!早くワシに曾孫を見せてくれの!!」ポール
「な!爺ちゃん!」俺
「はい。期待に添えるよう努めます!!」ソフィア
「ソフィア!!ちょ・・・。」俺
(赤くなりおって!可愛いのレインは!!)ポール
(爺ちゃんの馬鹿野郎・・・)俺
こうして俺とソフィアの仲は急速に近づいていった。
(レイン・・・。
なんだかこの耳飾りの効果が強まっている気がするぞい・・・。
レインの、ソフィアとの情事が筒抜けなのじゃが・・・!
ワシは一人ハアハアするしか無いぞい!!
こんなに離れているのに。
まったく・・・どうしようかの困ったわい・・・)ポール
(爺ちゃん・・・俺にもハアハアが聞こえて来たぞ・・・
寝る時は外そうか・・・?)俺
(そうじゃな!終わったら付けてくれ心配じゃから)ポール
(分かった)俺
そう、俺と爺ちゃんの中が深くなるに従い、
耳飾りの効果が強まっていったのだ。
高ぶった感情はどこに居ても手に取るように分ってしまうようになった!
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