第50話 旅・・・クルア地方。ノーザンアイランド
俺と爺さんは翌日から、勇者探しの旅をすることにした。
優秀な子供の話があれば行ってみるというだけのお仕事だけどね・・・!
「爺ちゃん!色んな所に行けると思ったらワクワクしてきた!」俺
「そうじゃな!何も目的の無い旅もいいかもしれんが、
目的が一つでもある方が迷わんでいいかもの。」ポール
「それに教会の名前を使えるのが良いね!」俺
「そうじゃの!
教会関係者と言えば大体の国に入ることが簡単じゃからな!」ポール
手始めに、クルザスのさらに北へ行ってみることにした。
そこは、冬には雪で閉ざされる極寒の地で、
国としてはどこにも属さない辺境の町で、フリーゾーン地帯だそうだ!
というのも、維持費用がかさみ税金の回収率も悪い極寒地帯は、
どこの国も、取り入れたくないのだそうだ!
今は初夏と言う事もあり、
この地を訪れるにはいい季節だった。
大陸の北限の街は、
ノーザンアイランドという所で、海の街でもあった!
到着して初めて目に入ったのは、灰色な石造りの港町。
季節的に新緑があたりを柔らかく包んでおり、
灰色とのコントラストが綺麗だった。
人々も活気があり、漁も盛んなようだ!
「日が穏やかになったから漁ができるようになったんだよ!」漁師
「これからドンドンとってきてやるからな!!」漁師
キャッキャキャッキャ・・・
と港では集まった人々がはしゃいでいる。
さっそく、北の魚介類を頂いたのだが、美味すぎる!!、
俺と爺ちゃんは毎日、暴食の悪魔に取りつかれたようだった!
「レイン魚が美味いな!このタコという奴も美味いな!」ポール
「ね!美味しいね!」俺
「そろそろ教会に行かないとな!」ポール
「そうだね」俺
この町の教会には孤児院があり、
そこに一人優秀な女の子がいるという。
その子はリリーという可愛らしい女の子で、珍しい光属性の持ち主だった。
しかし、孤児院の状況があまり芳しくないのを知った俺は、
改装費と、冬でも作物を育てられる温室の建設を開始した。
魔道具で暖房も整えたのだが、俺と爺ちゃんで魔法陣を作成できるし、
ダンジョンで手に入れたミスリルを使ったので、費用面では抑えられたと思う。
魔石を十分に置いていけば当面は温かく過ごせるだろう。
そして、何より大切なのは、聖属性の守りだ。
俺は、結界の魔法陣と聖属性の守りの魔法陣を組み合わせ、
聖属性の結界を作ることに成功していた。
まあ5日ほど研究にはかかった。
これは半径1キロ程を強力に結界で守れるので、
教会の女神像の足元に安置している。
魔法陣内には魔石を5つ置けて、
一つずつ新しいのに変えて行けば効力を切らさないように、
結界を張り続けられるだろう。
結界が発動すると、
すでに潜んでいた悪魔か魔族が消滅した反応がソナーに映った。
こうして地道に結界を張って、
希望ある子供達を守る対策をしていくしかないな・・・。
「聖人様と爺様!
これわたしたちが作った!おさかなのスープですどうぞ!」リリー
「おおリリーありがとう!優しい子だね!いいこいいこ」ポール
爺ちゃんがニコニコ顔だ!この光景は癒される。
「リリー?この本を読んで、勉強してね!
いつか君の光魔法は沢山の人を救う事が出来るから、頑張ってね!
何かあれば教会の人にいって俺達に連絡してね」俺
俺は自作の教科書をリリーに渡した。
これは兵士達に前世の知識を教えた時に作った教科書だった。
「はい。ありがとうございます。頑張ります。」リリー
こうして一ヶ月をこの街で過ごし、結界を張り終え、
次の街に移動することになった。
大陸を時計周りに移動していこうと思っており、
この次はシレーヌ連合国家に入っていくことになる。
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