第40話 討伐依頼

俺は今、

領主の息子アルベルトと討伐依頼に向かっている所だ。

アルベルトも冒険者登録をして、

やっと討伐依頼が受けれるようになったのだ。

爺ちゃんもついてくると言っていたが、

湯水のごとく使われるポーションを、

兵達に、自分たちで作れるように仕込んでほしいとお願いしたところ、

了承してくれていた。


依頼内容は、

最近近くの沼にマッドサラマンダーという、

オオトカゲが出現しているというものだった。


「アル!俺は剣しか使わないから、

そっちのフォローできるか分からないから頑張ってね!」俺


「ああ!任せておけ!一人でも余裕だぜ!」アル(アルベルト)


沼に着くと、一匹の大きなトカゲがいた。


「なんだ一匹か!余裕だぜ!」アル


「そうかな?よく見てみろよ!」俺


ボコボコボコと浮上してくるサラマンダーたち。

ドンドン数が増えていっている。

俺達を見つけると、バシャバシャと陸地に上がってきて、攻撃してきた。

俺達は攻撃を避けながら、マッドサラマンダーを切り裂いていく。

サラマンダーは巨体だ!

俺達の剣の一撃では致命傷にもならないが、

確実に行動を阻害させる傷を与える。


アルベルトは土属性の魔法を使えるのだが、正直相性が悪い相手だ!

しかし、頑張って剣で戦っている。


ちょっと、ソロソロ分が悪くなってきたな・・・。


「アル!一旦引こう!」俺


「おう!」アル


ビリビリ・・・・・・!雷を打ち込む。

全てのサラマンダーが痺れて動けなくなった。


「止めを!」俺


「おうよ!」アル


脳天に剣を刺していく簡単なお仕事に早変わりだった。


「レイ!魔法使わないんじゃなかったか?」アル


「これは想定外だからな。この依頼、虚偽申告も良い所だよ」俺


「ああ!こんなに大量にいるなんて一言も書いてなかったな!」アル


魔石を抜き取り、死骸を俺のリングに全て納めていくと、

57体もの巨大なサラマンダーがいたことになる。


「良いよな~そのリング俺も欲しいぜ!」アル


「ダンジョンを踏破すればいいんだよ!」俺


「でも、アソコの山のダンジョンは強烈すぎるぜ!

俺には無理っぽいわ!」アル


「じゃ、俺と違うダンジョンで狙ってみる?」俺


凄い思いつきで行ってみたけどアルは乗り気でいる。

沼からの帰り道その計画で話が盛り上がったのだが、

ギルドに依頼を報告すると、話がややこしくなった。

依頼者が故意に虚偽の依頼をしたのかの判断がつかないとか、

この依頼料の支払いをどうするかとか、

俺達は関係ないことで巻き込まれたくないので、

ギルドで勝手にやってくださいと言って、

素材の買取だけをして、ギルドを後にした。

後日決定したら依頼料も振り込まれるらしいから、気長に待ちましょう。


山のダンジョン以外なら、王都近くのダンジョンぐらいか・・・。

爺ちゃんにでも聞いてみようかな。

アルは領主館(家)に帰り、俺はジェットで山に帰る。


「お帰りレイン!

今日はサラマンダーか!こいつは結構美味いんだぞ!」ポール


サラマンダーを炭火で焼いて、塩と香草で味付けする。


「おお!ウナギだ!美味い!」俺


「そうじゃろ!!コヤツも精力がつく食べもんだけどな!がははは!」ポール


「美味いもんは精力がつくのかね!」俺


美味しくいただいた後、ユックリ風呂に入りながら、

爺ちゃんに王都のダンジョンの事を聞いた。

どうも、山のダンジョンの1階と2階くらいのレベルだそうだ!

アルと踏破して来ようと思っていることを告げると、

行ってこいと笑顔で言ってくれた。

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