第30話 目的の本を求めて・・・

翌日は再度図書館に来てみたのだが、

薬草の図鑑の著者、ガルシア・ウェールズさんの本は見つからなかった。

「あの本は、古本屋で見つけたのを買ったから、帰りに見てみるか?」ポール


「うん!行く!今行こう!もう、ここには新しい魔法陣はないみたいだから」俺


「そうか。じゃ、行こう」ポール


図書館を出て商店街の一角にたたずむ古本屋が見えた!

アソコらしい・・・。

可愛らしいお婆さんが一人で店番をしていた!


「おや!ポールちゃん!?

あら!ポールちゃんは若いままね~!」お婆さん


「メリッサさん。お久しぶりです。

こっちは孫のレインです!本を見せてくださいね」ポール


「あらあら!ポールちゃんの小さいころにそっくりね!

あなたも男前になるわよ!

世の女性には気を付けるのよ~!悪い毒虫ばかりだからね・・・ひひひ」メリッサ


急にこの婆さんが怖いのですけど・・・

「ガハハハ!おどかさんでくださいよ!」ポール


「おほほほほ!事実よ!」メリッサ


「お婆さん、ガルシア・ウェールズさんて人の本を探してるのですが、ありますか?」俺


「ガルシア・ウェールズ!?

あるわよ!たしか・・・。

あそこの棚の一番上の右端よ!

そこの踏み台使ってちょうだい!」お婆さん

凄い記憶力・・・。


「レイン。毒植物図鑑じゃぞ!いいのか?」ポール


「いい!いい!それが良い!」俺


「そうかじゃ、これを頂くよ」ポール


「はいよ金貨1枚ね!」メリッサ


「はい。金貨1枚」ポール


「ところでこのガルシアの本を買ってくれるなんて嬉しいね!」メリッサ


「お婆さんこの人知っているの?」俺


「ああ知っているとも!別れた旦那だからね!

もう家庭を顧みずにあちこち植物を探しに行っちゃうんだから、

あたし達はついていけなかったわ・・・。」メリッサ


「彼は今どこに?」俺


「今かい?隣町の外れでまだ研究しているはずだよ!

死んだっていうのは聞かないね!」メリッサ


「そうなんですね!

俺はこの人のファンなんです!凄いんですよこの人は!」俺


「これレイン!もういいじゃろう」ポール


「すみません」俺


「良いんですよ!

でもファンだなんてありがとう。あの人も喜ぶだろうね~」メリッサ


こうして思わぬ情報が手に入った。

これは会いに行けってことだよね~!

はあ・・・でもこの本を読んで実験してからにしよう!

楽しみ・・・。


「爺ちゃん鍛冶屋にも寄りたい!」俺


「良いぞ!」ポール


こうして俺は鍛冶屋のスミスさんに、

注射のためのシリンジを図に書いた物を見せながら説明した。

ついで注射針も出来ないか頼んでみた!

鍛冶屋のスミスさんはビックリしながらも、

爺ちゃんの孫の頼みだからといって作ってくれることになった。

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