第29話 治安と風呂

俺の冒険者登録は無事終わった。

あの叔母さんと憲兵からは賠償金が支払われるだろうと、

憲兵長が言ったのだけど、

正直、金なんかいらないから、治安をしっかり守っって欲しいよね!

とボソッと俺が言ったら、

爺ちゃんもそれにのって、また説教タイムが始まった。

御免ね憲兵長とギルド長さん・・・w


ようやく怒りが収まってきた爺ちゃんに、

そろそろと言って、商業ギルドに向かった。

査定はとっくに終わっていた。

金貨20枚。

この間と同じ額だった!


「ところでなんで冒険者ギルドに素材を下ろさないで商業ギルドなの?」俺


「それはじゃな、商業ギルドの方が、

素材の売買だけするなら手数料が安いからじゃよ、

少しお得になるんじゃ!」ポール


「へえ~そうなんだ!」俺


「でも冒険者ギルドで依頼を絡めた買取はそっちの方がお得じゃからな!」ポール


「へ~!じゃ、依頼を受けた素材の売買は冒険者ギルドで、

勝手にとってきた素材の売買は商業ギルドね!了解!」俺


「今日は遅くなったから泊まっていくか?」ポール


「いいよ!」俺


高級そうな宿に連れてこられた!

「いらっしゃいませ」受付


「二人じゃ。レインギルドのカードを!」ポール


「はい!」俺


「はい。レイン様とポール様お二人ですね。シングルお二つになさいますか?」受付


「いや、二人で一部屋だ一番いい所を!」ポール


「かしこまりました。金貨2枚でございます。」受付

うわ!高!2百万!!??え?


「ほれ金貨2枚じゃ。」ポール


「確かに。では205号室になります。ご案内いたします。誰か!」受付


ボーイさんに案内されて、二階の奥の部屋に案内された!

ウワ~!ラブホみたい!


「あ!風呂がある!!!」俺


「ははは!この街で唯一の風呂が入れる所じゃな!」ポール


「え?このために金貨払ったの?もったいない!」俺


「良いんじゃ!今日はむしゃくしゃしているから!

思いっきり金を使ってやるんじゃ!」ポール


「爺ちゃん・・・でもこの容姿じゃ、父さんの方がしっくり行くだろうね。」俺


「駄目じゃ!ワシはレインの爺ちゃんじゃ!それは譲れん!」ポール


「ははは・・・まあいいけどね・・・」俺


「レイン、今日、ワシは酒を飲むからな!レインも飲むか?」ポール


「う~ん飲んでも良いけど身体に悪くないかな?」俺


「ワシは儀式の後には飲んでおったぞ!それに大人になったじゃないか!」ポール


「じゃ、一緒に飲もうか!」俺


ホテルの人に買ってきてもらったワインと二人で飲んだけれど、

あまり美味くはなかった。

まあ仕方ないか・・・。これなら蒸留してブランデーにした方がイケそうだな!

と、そうこうしているうちに、爺ちゃんが酔っぱらって大変なことになってる。

爺ちゃん酒弱・・・!

チンコ丸出しで俺に抱き付いて離れないし、キスしまくるし、もう寝てるし・・・。

これは、若いころには酒で色々ありそうだ!

あんな風なハニートラップにも散々やられた類だな・・・。

無防備すぎる。

風邪ひいちゃうよ・・・。

なんだか、爺ちゃんなのに俺の子供のような気もしてくる・・・。

爺ちゃんの髪の毛こんなに柔らかかったんだ・・・猫の毛みたいで気持ちいい。

俺が子供になったり、爺ちゃんが若返ったり、

なんだか肉体と精神がよくわからんことになっている気がするぜ!

まったく・・・。

でも言えることは、爺ちゃんが幸せそうで良かったと言う事だ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る