原作再現


「ハァ……ハァ……化け物が!」


なんだよあいつ!?俺の爆弾をピンポイントで避けやがる!ロメジュとか言う奴が追い詰めてたから使ったってのになんでこんなに追い詰められるんだよ!?


「流石に張り合いがないな……」


だがあいつは俺達を完全に舐めきってやがる!そこが付け込めるタイミングだろうが……!ここでさっきから持ってたこの釘をあいつに投げつけてやるって訳よ!なんだか知らんがこのキャラは手に持ってると爆破が強くなるんだろ?


「よぉ」


「!?」


えっは?今後ろにいたはずじゃ


_______________________


「ごばぁっ!」


「あー……原作見てない?」


鋼は原作からして重力の瞬間移動とか言うよく分かんない原理の技が使えたからなぁ……実際真似してみたら出来ちゃった。なんだこれ……そして相手はまだやられてない、と。まぁ俺もまさか出来るとは思ってなくて反射的に蹴っちゃっただけだけど……


「畜生……なんでこんなに強いんだよ!?」


「試行回数じゃね?」


「うるせぇ!」


おっとずっと腰に付けてた釘だな?悪いけどそれこっちだと完封出来るんですよね。釘に重力をかければ……ほら即地面に着地。しかし何というか……過大評価だったか?


「なっあっ」


「まぁなんだ、俺から逃げないで……あぁ、戦いからって意味な?」


「止め」


「戦ったって意味で敬意を表して……原作再現で〆にしてやる」


「あっあの技は!」


「知ってんのか?」


「あぁ、原作で主人公の相棒を殺した際に使われた技だ。あの体制は……!」


「どんな技なんだ?」


「簡単に言えば、主人公が鋼に対して『能力だけのクセに……』ってボロボロにされながらも悪態をつくんだ」


「はぁ」


「そしたら鋼が『では見せてやろう』って言って使ったのがアレだ」


「へー……で、どんな技なんだ?」


「単純だよ、ただ口をもって頭を自分の膝にぶつけるだけの技だもん」


_______________________


考えてみればホントあのシーンは絶望感たっぷりのシーンだったな……マジでこういう能力だけの奴って本体は弱いんだろ?って思わせてからのアレだからな……今からやるわけですが。


「じゃあな」


「ま」


脳みそ粉々に砕くレベルの威力……いや強すぎるわやっぱ。主人公の心も折れるわこんなの目の前で見せつけられたら……ヒロインがいなけりゃ本当に心が折れてただろうな。まぁヒロインはその五話くらい後で鋼にぶっ殺されるんですけどね!こう……圧力を全身にかけられて圧縮された肉に……


「うーんこの強すぎる男」


マジでどうやって倒したんだっけ?

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